総務課の大竹課長が定時後、神坂課長のところにやってきました。
「神坂君、今日は金曜日、ノー残業デーだよ。一杯やりに行こうよ」
「タケさん、最近ちょっと飲み過ぎで、全然インプットができてないんですよね」
「インプットって何?」
「読書ですよ、読書。タケさんもしっかり本を読んでますか?」
「まさか神坂君に読書を勧められるとはね。世も末だな」
「失礼だなぁ。実は明日参加する読書会の課題図書をまだ読めてないんですよ」
「わかった、じゃあ軽くやって、サクッと終わろう」
「結局、行くんかい!」
ということで、2人は「季節の料理 ちさと」にやって来たようです。
「本当に1時間で帰りますからね!」
「わかってる、わかってる。はい、カンパーイ」
「タケさん、なんか最近太ったんじゃないですか?」
「わかる? 5kgくらい増えたかな」
「それは駄目ですね。飲食やコレ(小指を立てて)を慎まないと仕事にも人生にも害有りですよ」
「わかっちゃいるけどやめられない、って感じかな。神坂君こそ、ちょっと膨張してない?」
「だから今日は帰ろうと思ったのに! でも、私は今のところ現状維持できてますよ。密かに自宅
でのスクワットは欠かさずにやってますからね!」
「へぇ、スクワットってしんどくない?」
「10回1セットを週に5回程度やるだけですから、全然問題ないですよ」
「そんなんでいいの。俺もやろうかな」
「『神スクワット』って本が出てますから、それを読んで正しいスクワットをやった方がいいですよ」
「ところで神坂君、コレ(小指を立てて)は大丈夫?」
「幸い出会いもなければ、お金も飲み代で全部消えてますからその心配はご無用です。タケさんはおかあちゃんラブですもんね」
「いまは菜々ちゃんラブかな」
「ああ、お孫さんね」
「目に入れても痛くないって本当だね」
「痛いに決まってるでしょ。そもそもどうやってお孫さんを目の中に入れるんだっつうの!」
「例えばってことでしょ。そこを真面目に拾う? まあ、そっち方面は問題なしとなると、お互い気をつけるべきは暴飲暴食ってことか?」
「しかし、食べないわけにはいきませんし、あっち方面もまだまだ現役ですからほどほどには必要だし。何事も適度にってことですね」
「人間にとって水や火は欠かせないものであるけれど、最近は台風による水害もあるし、海外では凄い山火事も発生していたよね。ある意味でもろ刃の剣だということになる。まあ、飲食や色欲もそういう部分があるんだろうな」
「お二人の話を聞いてしまったので、ちょっと出しにくくなっちゃったな」
「え、ちさとママ。今日は何を出してくれるつもりだったの?」
「味噌カツ。美味しい豚肉が入ったからとんかつにしてみたんだけどね。あっちの若いお客さんにお出しするね」
「(2人声を合わせて)いやいや、ちょっと待った」
「食べる?」
「せっかくママが作ってくれた手料理を遠慮するほど、俺たち野暮じゃないよ。ね、タケさん?」
「ママ、大丈夫。帰ったらスクワットやるから!」
ひとりごと
実は小生も昨年末から今年の春先にかけてブクブクと太り始めて人生最高体重の83kgとなりました。
そんなタイミングで自家用車を自損事故で大破させ、高額の修理代が発生して落ち込み、食事も喉に通らない日がありました。
それを機に昼ご飯をゆで卵一個にするというダイエットを始めました。
すると約1ケ月で体重は75kgにまで減少しました。
現在も75kgを維持しておりますが、体脂肪率は依然高いままですので、スクワットを始めることにしました。
宝島社新書の『神スクワット』という本を教科書として始めます。
結果は後日、ご報告いたします。
【原文】
民は水火に非ざれば生活せず。而も水火又能く物を焚溺(ふんでき)す。飲食男女は人の生息する所以なり。而も飲食男女又能く人を牀害(しょうがい)す。〔『言志録』第165条〕
【意訳】
『孟子』には、「人民は水と火がなければ生活はできない」とあるが、一方で水は人を溺れさせ、火は物を焼いてしまう。飲食や男女の交わりは人が生きるために必要なものだが、一方で人を害するものでもある。
【ビジネス的解釈】
水や火は人間の生活に欠かせないものであるが、使い方を誤ると人に危害を加えるものとなる。飲食や男女の交際も全く同じで、生きて行く上で必要なことである一方で自ら摂生しないと仕事にも悪影響を当たるものとなる。