【原文】
栽(う)うる者は之を培う。雨露固より生生なり。傾く者は之を覆す。霜雪も亦生生なり。


【訳文】
植えた物はこれを培い養ってやるべきで、降る雨や露はいうまでもなくいきいきしていて、植物の生長を助ける。また根が傾いて生長の望みのない植物は倒れてしまう。これを倒すところの霜や雪もまたいきいきとしている。


【所感】
ここも佐藤一斎先生の深い宿命論から発せられた言葉です。


人の一生は、植物が自然に逆らうことができないのと同じように、成り行きに任せるしかない、ということになるでしょうか。


かつて大ベストセラーとなった『夢をかなえるゾウ』の中でガネーシャという神様は、主人公に対して以下のような教えを与えています。


他人が起こす出来事、自分の身の周りで起きる出来事には自然の法則が働いている。
自然の法則を変えることはできないので、自分自身を変え、自然の法則に適応するしかない。
つまり成功するために重要なことは、自然の法則と自分のズレを矯正することである。


この自然の法則のことを、時には神様と呼び、仏様と呼び、お天道様と呼び、サムシング・グレートと呼ぶのでしょう。


さて、この章も深読みをしてみると、以下のように解釈することができるのではないでしょうか。


自然の成り行きを恨んでみても始まらない。まずは己を磨き、自然の法則に逆らうことなく、常に原因を自分の言動に求め、少しでも世の中のお役に立つ生き方をするよりほかはない。


小生はこう理解して、その時その時の境遇を楽しみたいと思います。