原文】
愛悪(あいお)の念頭、最も藻鑑(そうかん)を累(わずら)わす。


【訳文】
愛憎や好悪の感情(考え)が心におこると、最も人物の鑑定に間違いをきたすものである。


【所感】
人と接する時は好悪の感情を交えてはいけない。
好悪の感情が入れば、人を客観的に正しく見ることができなくなる、
と一斎先生は言います。


中国古典の『礼記』には、


愛してその悪を知り、憎みてその善を知る


という言葉があります。


好意を抱いている人にも必ず欠点はあり、また敵意を抱く人にも
必ず長所があるということでしょう。


時折、好きな人の言うことはすべて受け容れるが、
嫌いな人の言うことはすべて否定(拒絶)するという人を見かけます。


しかしこの世の中には、言動や行動のすべてが正しい人も、
またすべてが間違っている人も存在しないのです。


必ず清濁両面を持ち合わせています。


したがって、リーダーとしてメンバーに良い仕事をしてもらうためには、
個人的な好悪の感情を外して、客観的にその仕事内容を評価することが
求められます。


更に一つ上を目指すのであれば、好悪の感情そのものを懐かない様に、
自分自身を磨いていくことが必要なようです。