原文】
寵過ぐる者は、怨(うらみ)の招なり。昵(じつ)甚だしき者は、疎んぜらるるの漸なり。


【訳文】
人から寵愛され過ぎると、かえって怨を招くことになる。また、余り親しみ過ぎると、かえって疎遠になる。


【所感】
人間関係は適度な距離を保ってこそ長く続くものだ、と一斎先生は言います。


小生も少し前に、とある方とあまりにも親しみ過ぎたために、かえって適度な距離を失い、急速に関係が悪化し、社交を断絶するという経験をしました。


リーダーとしてメンバーを寵愛し過ぎれば、そのメンバーは他のメンバーに対して優越感をもち、それが言動に現れます。


それによってメンバー間の距離感の均衡が破られ、険悪なムードを誘発することになります。


あるいは親しみが過ぎると、今まで見えていなかった欠点が目に留まりだし、嫌悪感を抱くということもあるでしょう。


営業人の場合は、お客様とも適切な距離感で接することが求められます。


馴染み過ぎると、適切な利益を確保できないなどの弊害も生まれます。


お客様と友達付き合いをすることを否定するものではありませんが、あまりオススメしない所以です。