【原文】
少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。 壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。
【訳文】
少年時代に学問しておけば、壮年時代になってそれが役に立つことができるし、壮年時代に学問しておけば、老年になっても気力の衰えることがない。老年になっても学問すれば、それが社会に役立つことになるから、死してもその名が朽ちることがない。
【所感】
若くして学べば、壮年時代になって良い仕事ができる。壮年時代に学べば、老いて衰えない。老いてなお学べば、死んでもその名が朽ちることがない。
この章句は「三学戒」と呼ばれており、恐らく『言志四録』中もっとも有名な章句ではないでしょうか。
内容もシンプルで素晴らしいですよね。
小生はこの章句を以下のように解釈して、いつも忘れないように手帳に記載しています。
青年(少年)期には、自分のために学ぶ。
壮年期には、世の中のために学ぶ。
老年期には、後世の人たちのために学ぶ。
人は死ぬまで勉強し続けるべきですが、学ぶ目的は年齢によって変っていくのではないでしょうか。
人は二度死ぬといいます。
最初の死は、いわゆる肉体の死です。
二度目の死とは、自分を知っている人がこの世からいなくなる時なのだそうです。
つまり、老いてもなお学び続けることで、人は自分の人生の何倍もの期間、後世の人たちの心の中で生き続けられるのです。
まさに孔子は死後2,500年を経過した今でも世界中の人々の心の中で行き続けていますよね。
死して朽ちず、とはそうしたことを指すのでしょう。
小生はいま、壮年から老年へと向かう端境期に存しております。
更に学び続け、学びを深めて、仕事を通して世の中に貢献しつつ、『論語』を通じで後世の方にも貢献できたら本望です。