【原文】
軍旅にも又礼楽有り。


【訳文】
軍隊は厳格で規律正しくあるべきであるが、また一面、礼儀も必要だし、心を和らげる音楽的なものも欠くことはできない。


【所感】
軍隊にも礼儀や音楽が必要である、と一斎先生は言います。


兵は詭道なり


とは有名な『孫子』の言葉です。


その意味は、「戦争は騙しあいである」ということです。


しかし、いかに敵を 欺くかが重要であるとはいえ、味方の軍においては礼がなければ、秩序を守ることができないし、楽がなければ一致団結することはできないでしょう。


軍歌の中でもとりわけ有名な『同期の桜という歌の歌詞を読むと、戦争に向けて味方の心をひとつにする工夫を読み取ることができます。


さて、戦争となると物騒ですので、企業競争に置き換えてみます。


企業間競争もある意味では詭道であって、競合企業を出し抜くために戦略を練ります。


その一方で組織内では、リーダーはメンバーをねぎらい、メンバーはリーダーを敬うという上下間の礼が尽くされます。


また会社であれば社歌をつくることもありますし、組織においては行動指針を毎朝読み上げるなどで、組織の心をひとつにする取り組みがなされます。


そう考えてみると、武田信玄が掲げた「風林火山」の幟もここでいう楽の役目を果たしていたのかも知れません。


戦争においてすら礼楽が必要だというのですから、平穏な日常を過ごす我々においては礼楽を整えることは当然の責務なのでしょう。