【原文】
窮む可からざるの理無く、応ず可からざるの変無し。
【訳文】
いかなるものでも究め尽くせないという道理は無い。また物事がいかに変化しようとも、それに対応できないということは無い。
【所感】
究め尽くせないような道理はなく、対応できないような変化もない、と一斎先生は言います。
この章を読んだとき、上杉鷹山公の言葉とされる下記の言葉を思い出しました。
為せば成る、為さねば成らぬなにごとも、為らぬは人の為さぬなりけり
意味はお分かりかと思いますが、敢えて訳せば、
何事もやればできるし、やらねばできない。できないのではなく、やらないだけだ。
となります。
とにかく難題にぶつかったときには、逃げずに、真正面から取り組んでみる必要があります。
仮にその時は結果が出なかったとしても、後にその努力が実を結ぶということもよくあります。
逃げてしまうと、課題を解決できないだけでなく、逃げてしまったという後悔の念も残るし、何も学べません。
小生は、大きな壁にぶつかった時、こう考えることにしています。
神様はとんでもない課題を与えてくれたな。でも、神様のことだから、必ずどこかに糸口を示してくれているはずだ。やるだけやってみよう。
そして、必ずこの歌を心で読み上げています。
憂きことの なおこの上に 積まれかし 限りある身の 力試さん