【原文】
逆境に遭う者は、宜しく順を以て之を処すべし。順境に居る者は、宜しく逆境を忘れざるべし。


【訳文】
思うようにならない境遇にあっている人は、思うようになる境遇におるような心をもって対処していくのがよい。順境におる人は、逆境の時を忘れずにしていくがよい。


【所感】
逆境にあるときは、総じて順境に居るかのように物事に対処していくのがよい。また順境にあるときは、総じて逆境のときを忘れないことが肝要である、と一斎先生は言います。


どんな人でも生まれてから現在までずっと逆境あるいは順境に居続けている人はいないはずです。


しかし、逆境に陥ると、そのとき順境に居る人と比較して自分の不幸を呪います。


ところが、自分が順風満帆のときは、かつて自身も荒波に漂ったことを忘れて、逆境に居る人を憐れんだりします。


人間とは実に勝手な生き物なのです。


凡人である小生は逆境に陥ると、まずは凹んで、落ち込んで、自暴自棄になります。(どうしても一旦はこの工程が必要です。。。)


その後は、現状を腹に落とすことに取り組みます。


一斎先生のように、「これも順境だ」とまでは考えられませんが、神様は必ずここから抜け出す道を用意してくれていると信じて、逃げずに壁にぶつかっていく道を選びます。


するといつの間にか最悪の状態は脱しています。


それから数年も経てば、あれほど悩み落ち込んでいたことをケロリと忘れてしまいます。


そして、順境が訪れると調子に乗り過ぎて失敗するということを繰り返してきました。


パワハラ事件を起こしたときは、あれほど反省したのに、5年も経てばまた同じようなことを指摘されてしまう、といった具合です。


要するに、小生は逆境には比較的強いが、順境に弱い人間なのでしょう。


そういう人間には、毎朝苦い肝を舐めるような習慣をつける必要がありそうです。


ただ、憂うべくは、最近の若い人は極度に逆境に弱いことでしょう。


若者が自ら命を絶ったというニュースを耳にする度に、なぜ生きることを諦めてしまうのかと残念な気持ちで一杯になります。


逆境の後にしか人生の花は咲きません。


偉人の伝記を読めば、彼らがどれほどの逆境を乗り越えて大きな花を咲かせたのかを知ることができ、生きる勇気をもらえます。


やはり、森信三先生も言っていたように、伝記を読むことは人生を生き抜く上でも極めて重要なのでしょう。


小さい子供さんがいる親御さんは、ぜひ伝記を読み聞かせてあげてください。