【原文】
人を訓戒する時、話は簡明なるを要し、切当なるを要す。疾言すること勿れ。詈辱(りじょく)すること勿れ。


【訳文】
人を教え戒める場合の言葉は、簡単明瞭であって、しかも適切(ぴったりあてはまる)でなければいけない。早口で言ったり、ののしり恥ずかしめるようであってはいけない。


【所感】
人を指導する際には、話は簡潔かつ明瞭にすべきであり、なおかつ核心をつくようにすべきである。一気にまくし立てて、罵るようなことはしてはならない、と一斎先生は言います。 


とても耳の痛いご指摘です。


小生が社員さんを指導する場合、ついつい長々と説教をする形となり、かつ相手を脅しつけるような言葉遣いや態度となってしまいます。


一度大きな失敗を経験し、反省していたつもりでも、また同じ事を繰り返してしまいます。


今回もまさにタイムリーな言葉に出会い、返す言葉もありません。


以前、小生が主催する潤身読書会で、ある若い参加者さんが、説教の中身も問題ですが、それ以上に長時間にわたってくどくどと話されるのが一番嫌だ、と仰っていました。 


短時間にズバリと問題点を指摘すべきであり、その際には、必ず相手の長所にも触れながら、アイ・メッセージを使って、


「○○君の今回の行動の問題点は××にあると思います。
○○君の良いところは、反省したら、すぐに行動を改めてくれることです。
今回の件も、何が課題かは理解してくれているはずです。
すぐに今日から行動を変えてくれたら、私は嬉しい。」


という伝え方を心がけたいものです。


皆さんは、長時間にわたってくどくどと叱責していませんか?