【原文】
小児を訓うるには、苦口を要せず。只だ須らく欺く勿れの二字を以てすべし。是を緊要と為す。
【訳文】
子供を教え戒める場合には、耳の痛い忠告は必要でない。ただ、人を欺いてはいけないというだけでよい。これが極めて大切なことである。
【所感】
子供を教える際は、苦言を呈する必要はない。ただ「うそをつかないこと」ということを伝えるだけでよい。これが最も大事なことである、と一斎先生は言います。
昨日の言葉にもあったように、指導は簡潔明瞭であるべきだということでしょう。
特に子供に対して、一度に多くのことを指摘しても理解の範囲を超えてしまいます。
それよりもただひたすら「うそをつくな」と言い続けよ、と一斎先生は言います。
儒学において、仁義礼智信を五常の徳と呼びます。
この場合の「信」とは、他人に嘘をつかないことを意味します。
言葉を変えるなら「正直」ということです。
これはこのまま若い社員さんへの教育にも適用できるのではないでしょうか?
とにかく、お客様に対して正直で、嘘をつくことがなければ、それだけで立派な社会人となれるはずです。