【原文】
藝能の熟するや、之を動かすに天を以てす。妙は才不才の外に在り。
【訳文】
芸能が円熟して名人の域に達すると、それを動かすものは天であるといえる。名人の妙技というものは、才とか不才とかいうものを超越している。
【所感】
技芸の能力が円熟の域に達すると、その技能の働きは天によるようになる。妙技というのは、才能と不才といったことの外にあるものだ、と一斎先生は言います。
技芸の能力が円熟の域に達すると、その技能の働きは天によるようになる。妙技というのは、才能と不才といったことの外にあるものだ、と一斎先生は言います。
スポーツにしても、芸術にしても、それを極めた達人は必ずといって良いほど感謝の言葉を口にします。
それはおそらく、何か見えない力によって自分が導かれていることを感じるからではないでしょうか?
人は誰しも天命をもって生まれてくると言います。
プロスポーツ選手や芸術家は、若くして天命を見つけることができた人なのでしょう。
天命を果たすために一所懸命に鍛錬を積むと、天の救いや導きを受けることができるのです。
ところが小生のような凡人は、天命が定まっていないために、迷い、時に天を逆恨みすることとなります。
たとえ天命が定まらぬとも、目の前の仕事に最善を尽くせば、いつかは天命に巡り会えるはずです。
天命を知らないのは、知るための努力が足りないのだ。
そう考え、自分を信じて、自分にできることを愚直に続けていきます。