(第1165日の続きです。)


神坂課長が4名の新卒社員さんに研修をしています。


「梅田君はどうかな? この会社で何を実現したい?」


「そうですね、やはりトップセールスになりたいです」


「なるほどね。藤倉君は?」


「はい、私もやはり会社のエースになりたいです」


「おお、ふたりは良きライバルになりそうだね」


「さて、湯浅君は?」


「そんなこと急に聞かれてもですね・・・。皆さんのお邪魔にならないようになりたいです」


「おいおい、夢が邪魔者にならないことでは、ちょっと淋しすぎないか?」


一同、爆笑しています。


「お、お時間をください」


「まあ、そうだな。今まで考えたこともなかったかも知れないからな。これから毎週1回、皆さんに話をするように言われているから、来週までに各自もう一度じっくり考えてきてよ」


「はい」


会社というのはね、皆さんの夢を実現する舞台なんだ。最初は自分本位の夢でもいいから、なるべく大きな夢を持って欲しい」


「なるべく大きな夢か」
梅田君の目が輝いています。


「でもね、いつかはその夢が志へと変わるときがくるはずなんだ。だってさ、もし入社して十数年も経っている私が『お金持ちになりたい』とか『社長になりたい』とか言ってたら、君達だってがっかりするし、『この会社大丈夫か?って思うだろう」


「たしかに・・・」
藤倉君がうなづいています。


「最初は、夢 = For me でいいから、仕事をしていくうちに、それが少しずつ 志 = For you に変わっていけばいいんじゃないかな」


4人の若者は真剣に聞き入っています。


「志が立っている営業マンは強いぞ。少々の試練にぶつかっても簡単にギブアップしないし、判断基準がブレていないから、詰まらない誘惑に引っかかることもないんだ。ところが、志が立っていないと、すぐに凹んだり、自分にこの仕事は向いていないんじゃないかと考えたりするんだよ。そして最悪の場合は、会社を辞めてしまうことになる」


「そんなものなのか?」
志路君がメモをしながらつぶやいています。


「志のある営業マンは、まるでスパッと斬れる刀みたいな鋭さがあるから、周囲も一目置くようになるんだ。湯浅君、いつでも斬れる刀であるためには、何が必要だと思う?」


「あ、それならわかります。毎日しっかり刀を磨くことですか?」


「おお、大正解! つまり準備をしっかりすることだよね。我々にとってはそれが読書なんだろうな」


「読書かぁ、苦手だなぁ」
湯浅君がつぶやきました。


「いや、実はね。偉そうに話をしているこの私も読書は大の苦手でさ。つい最近までロクに本も読んでこなかったんだよ。課長になって、後ろに座っている佐藤部長にご指導いただいて、最近ようやく読書の大切さに気づいたんだ」


「よかった」
湯浅君が安心したようです。


「いま私は、若い頃から本を読んでこなかったことを心から後悔しているんだよ。だからこそ、みんなには少しずつでも良いから読書を続けて欲しいと思っています。さて、そろそろ時間ですね。何か質問はありますか?」


「はい」


「梅田君、なんでしょう?」


「神坂さんの志を教えてください」


「ははは、ストレートに来たね。志というものは、あんまり人に話すものではないと思うんだけどさ。聞きたいということなのでお伝えしましょう」


「お願いします!」


「私の志は、『がんで死ぬ人をゼロにすること』です。もちろん私はドクターではないので、直接患者様に接するわけにはいきません。しかし、最新の医療機器の提供を通して医療機関のお手伝いをすることで、間接的に志を達成できると信じています。もちろん、我々の商圏である東海エリアにおいての話だけどね」


「カッコいいっすね」


「そうかな、ありがとう。梅田君も、カッコいい志を持ってくれよな!」


ひとりごと 

昨日今日と、小生が新卒社員さん向けに最初に話をする内容を再現してみました。(ちょっと格好良すぎる点はご勘弁願います)

ちょうど、いま新卒社員さんが入社して研修を行っている時期ではないでしょうか? 

この内容にそったパワーポイントの資料もありますので、ご関心のある方はコメント欄に資料入手希望の旨をご記入ください。

また、直接研修の講師をやって欲しいということであれば、喜んでやらせていただきますので、その旨をご記入ください。

皆様のご参考となれば幸いです。


【原文】
志有るの士は利刃(りじん)の如し。百邪辟易す。志無きの人は鈍刀の如し。童蒙も侮翫(ぶがん)す。〔『言志録』第33条〕


【訳】
志が立っている人は、まるでよく切れる刀のように、多くの邪悪なものを退ける。一方、志のまだ立っていない人は、あたかも切れない刀のようで、子供たちにさえ馬鹿にされてしまう。


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