今日の神坂課長は、久しぶりに相原会長とナイター競艇に来ているようです。

「1-6-5で決まりだな。よしよし、中穴を当てたよ!」

「会長、相変わらず買い方がうまいですよね」

「神坂師匠のお陰だよ。外枠の舟は連動することが多いって言ってたじゃない」

「そうでしたっけ? そういう記憶力もさすがだなぁ」

「神坂君、メインまで時間があるから、もつ煮込みでも食べようよ」

2人は競艇場内のフードコートに移動したようです。

「最近、仕事でもクレームが続いたり、競合で敗戦したりで、全体的に運気が悪い感じがします。案の定、競艇も当りませんしね」

「神坂君、そういうときは慎みの気持ちが薄れているときだと思うよ」

「え、慎み・・・ですか?」

「うん、別の言葉でいえば、謙虚さを失っているといってもいいのかな」

「謙虚さか。そういえば、メンバーの指導について佐藤部長からも指摘を受けました。いつの間にか謙虚さを欠いていたのか!」

「神坂君も僕と一緒で調子に乗りやすいタイプだからねぇ」

「それは否定できません」

「なにか調子が悪いなと思ったら、謙虚さが薄れていると思って間違いないと思うよ。それと感謝の気持ちもね」

「たしかにメンバーに感謝する気持ちを忘れていた気がします」

「常に『ありがとう』という言葉を発し続けることを意識してごらん。そうすれば自然に何事にも謙虚に感謝できるようになるから。『ありがとう』は魔法の言葉だからね!」

「会長、ありがとうございます。あっ、そろそろメインが始まりますよ」

2人は慌てて大時計前に向いました。

「うわー、また1-6-5か! 今度は買えなかった、神坂君はどうだった?」

「謙虚さと感謝の気持ちで舟券を買いましたが、駄目でした・・・」

「そりゃ、そうでしょう」


ひとりごと 

『論語』の主要な登場人物のひとりに、子路がいます。

孔子と9歳違いの一番弟子である子路は、日頃はちょっと出しゃばりで、おまけにやり過ぎるところがあって、いつも孔子にたしなめられています。

しかし、そんな子路は、一斎先生の言葉にあるように、人から誤りを指摘されると喜んだと言います。

「よし、これでまた成長できるぞ」と思ったのでしょう。

小生が子路から最も見習うべきは、ここですね!


原文】
過は不敬より生ず。能く敬すれば則ち禍自ら寡し。儻(も)し或いは過たば則ち宜しく速やかに之を改むべし。速やかに之を改むるも亦敬なり。顔子の過を弐(ふたた)びせず、子路の過を聞くを喜ぶが如きは、敬に非ざる莫きなり。〔『言志後録』第17章〕

【意訳】
人の過ちは慎まないことから生じる。慎むことを忘れなければ禍は自然と少なくなるものだ。もし過ちを犯したならば、すぐにこれを改めるべきである。すぐに改めることもまた慎みなのだ。顔回が同じ過ちを犯すことはなかったということや、子路が自分の過ちを指摘されることを悦んだという話などは、慎みをもつことの最たるものだ

【ビジネス的解釈】
物事がうまくいかないなと思うときは、大概慎みの気持ちを忘れているときである。あらためて感謝の気持ちを思い出し、慎みをもってすべてに当れば、難局も必ず打開できる。


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