今日の神坂課長は、休日を利用して、長谷川名誉院長と佐藤部長と一緒に日帰りの旅を楽しんでいるようです。

「せっかくの旅なのに生憎の雨ですね」

「神坂君は昔から雨男だと言われるよね」

「佐藤部長、それを言わないでください。だいたいこういう時に西村さんがいたら、お前の日頃の行いが悪いと言われるんです」

「ははは。神坂君、それに一々反応するということは、やっぱり心当たりがあるのかな?」

「長谷川先生、勘弁してください」

「この雨は喜ぶべきことだよ。最近ずっと、まとまった雨がなかったでしょ」

「やはり長谷川先生はポジティブですね。そういう発想の転換は苦手です」

「人生も仕事も良いことばかりじゃないよね。でも、その良くないことが自分を助けてくるるんだよ」

「自分をたすけてくれるとは考えたことがなかったです。逆境や辛いことというのは、乗り越えるものだと思っていました」

「うん、どうせ乗り越えるなら視点をかえてポジティブに捉えたほうが楽しいでしょ?」

「そして、長谷川先生のようにポジティブでいると、機会を逃したり、無理に状況を打開しようとしなくなりますね」

「佐藤さん、ナイスアシスト」

「またまた勉強になりました。逆境を乗り越えようなんて前のめりになると、かえって失敗するのかも知れませんね

「その通り。神坂君も飲み込みが早いね」

「お褒め頂き光栄です。そうか、今日の雨は私にそれを教えてくれるために降ったのですね」


ひとりごと
 
人生山あり谷あり、と言われます。

雨の日には雨の中を、風の日には風の中を、ただ淡々と歩く。

そんな人生を歩んでいけば、それで幸せなのではないでしょうか?


【原文】
人の世を渉るは行旅の如く然り。途に険夷(けんい)有り、日に晴雨有りて、畢竟避くるを得ず。只だ宜しく処に随い時に随い相緩急すべし。速やかならんことを欲して以て災を取ること勿れ。猶予して以て期に後(おく)るること勿れ。是れ旅に処するの道にして、即ち世を渉るの道なり。〔『言志後録』第70章〕

【意訳】
人が世の中を渡っていくのは旅をすることに似ている。途中には険阻な所や平坦な所がある。また晴れの日も雨の日もあって、結局これを避けることはできない。ただ時と状況に応じて緩急を意識するべきである。急ごうとして禍を被ることのないようにせよ。またゆっくりし過ぎて期日に遅れるようなことがあってもいけない。これが旅の仕方であり、世渡りの道である。

【ビジネス的解釈】
仕事も人生も旅のようなもので、良い時もあれば悪い時もある。それを避けることはできない。ただ、焦りすぎて失敗したり、好機を逃すことのないように、時に中ることを考えるべきだ。


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