今日は営業部の3課長が夕食を共にしているようです。

「お前ら、リーダーに大切な3つの徳って知っているか?」

「なんですか、神坂さん。また仕入れたばかりの知識をひけらかすつもりですか?」

「あっ、そうだった。大累の言うとおりだ。それをやめろって多田先生に言われたんだった」

「え、でも気になります。神坂さん、教えてください」

「新美は優しいよな。可愛い後輩だ」

「どうせ俺は可愛くないですよ!」

「いじけている後輩は無視して、せっかくの新美の頼みだから教えてあげよう」

「お願いします!」

「智・仁・勇の3つの徳が揃えば鬼に金棒らしい」

「神坂さんにあるのは勇気だけですね。知的さや優しさは皆無だもんな」

「ゴン」

「いてぇ! ほら、すぐ暴力だ。知性の欠片もない人だよ」

「まあまあ、二人とも落ち着いてください。しかし、その3つを揃えるのは至難の業ですね」
「これは一斎先生の言葉なんだけどな。智と仁は人間がうまれつき持っているもので、勇気というのは後から獲得するものだ、と言っている」

「持っていない人もいる気がするけどなぁ・・・」

「俺を見るな!」

「あっ!」

「なんだよ、大累。急にデカイ声を出すなよ」

「やっぱり佐藤部長は凄い人だということに気がつきました」

「はぁ?」

「だって、勇気は神坂さん、おもいやりのあるのは新美、そして知性派といえば私じゃないですか! ちゃんと腹心に3つの徳をもった人間を揃えているんですから!」

「なるほどな。自分になくても、そういう人材を手元に配置すれば良いわけか!」

「さすがは知性派の大累さんだ!」

「そこなんだけどさ。大累って知性派か?」


ひとりごと
 
有名なお話ですが、童話『桃太郎』に出てくるお供の動物、サル、イヌ、キジは、それぞれ智・仁・勇を表しているのだそうです

リーダー自身がこの3つの徳を修得すべく努力することは勿論ですが、まずは自分に足りない徳をもっている人材をそばに置いてサポートをしてもらうことを考える必要もあるのではないでしょうか?


原文】
智・仁は性なり。勇は気なり。配して以て三徳と為す。玅理有り。〔『言志後録』第80章〕

【意訳】
智と仁は人間に生まれつき備わっている本性であり、勇は後天的に獲得する気である。これらを三徳とするのであるが、これに妙理がある

【ビジネス的解釈】
ビジネスを成功させるためには、リーダー自身が智と仁と勇の三つの徳目を備える必要がある。


monogatari_momotarou