入社2年目トリオの石崎君、善久君、願海君が喫茶コーナーで雑談をしているようです。

「カミサマは意外と細かいんだよな。それに言い方がキツイだろう。あのおっさんに叱られるとなんかイライラするんだよな」
石崎君が不満気な様子です。

「まあまあ、落ち着いて! ところで、ザキ。なんで叱られたの?」
願海君がなだめています。

「粟野医院さんの商談でね。ハイグレードのエコーを買ってもらうつもりでカミサマに見積りを見せたら、『あの施設にこのグレードは必要ないだろう!』って。そこから30分間説教だよ」

「でも、実際にあれはオーバースペックなんじゃないの?」

「ゼンちゃんまでそんなことを言うのかよ。だって、高い機種を売った方が売上計画も達成するじゃないか。あそこは患者さんも多くて儲かっているからうまく説明すれば買ってもらえるかもしれないのに!」

「お金があるなら、ご施設に最適なエコーを提案した上に、なにかプラスアルファで提案すればいいじゃない?」

「いまのガンちゃんと同じことをカミサマに言われたよ。『損得感情で商売を考えるな!』って、めっちゃ怒られた

「ザキの話を聞く限り、神坂課長は間違ったことを言ってない気がするけど、ゼンちゃんはどう思うの?」

「え、まあ、そうだよね・・・」

「なんだよ、なんだよ。親愛なる同志だと思ってたのに、カミサマの肩を持つのかよ!」

「ザキ、あんまりイライラするなよ。あまりイライラすると心が乱れるし、欲張りすぎるとかえって気持が滅入っちゃうよ。もっと自然体でいこうよ」

「ガンちゃんの言うとおりだよ。ザキ、そんなにイライラして、売上のことばかり考えていたらうつ病になっちゃうよ」

「この俺がうつ病になるわけないじゃん! うわっ、カミサマから電話だ。はい、石崎です。はい。えっ! 行きます、行きます。ありがとうございます!」
石崎君の顔がみるみる明るくなりました。

「神坂課長、何だって?」

「説教の続きを今晩、『季節の料理 ちさと』でやろうって!」


ひとりごと

第343日の項でも紹介しましたが、人間が怒りを感じたときの呼気を固体化してマウスに注射すると、興奮したり、酷い場合には死に至るという実験結果があるそうです。

たしかに、怒りや欲望にまみれた精神状態が肉体に悪い影響を与えないはずはないでしょう。

いつも心に太陽を宿していたいものです。


【原文】
忿熾(いかりさかん)なれば則ち気暴(あら)く、欲多ければ則ち気耗す。忿を懲(こ)らし欲を塞ぐは、養生においても亦得(う)。〔『言志後録』第97章〕

【意訳】
怒りが盛んであれば気持ちも荒々しくなり、欲が強すぎると気持ちが消耗する。怒りや欲望を抑えることは、養生としても良いことなのだる。

【ビジネス的解釈】
怒りや欲望に任せて働けば、精神的に病んでしまう。いかに怒りや欲望を抑えるかは、ビジネスマンにとって最重要事項である。


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