今日の神坂課長は、佐藤部長の部屋にいるようです。

「昨日、私が参加している読書会で、元経営者の方から大切なことを学びました」

「ほぉ、どんなこと?」

「読書だけが学びではないということです。実際の仕事の中に、活字にはなっていない教えがたくさんあるということを学びました」

「すばらしいね」

「はい。最近、読書をしなければならない、という意識が強くなり過ぎていた気がします」

「ねばならない読書は辛いよね」

「夜中に眠い目をこすりながら本を読んでいたのですが、少し考えなおしてみます」

「体に障ることは避けた方がいいよ。経験者は語る、でね」

「おっしゃるとおりです」

「ただね。そのことに気づけたのは、読書をしたからだということもまた事実だよね」

「え?」

「本を読まない人が、仕事というものが活字ではない本と同じだということに気づけるだろうか?」

「ああ、なるほど。確かに本を読まなかった頃の私なら気づかなかったかもしれません」

「そうだよね。読書をしたからこそ実践から学べるようになる。それがとても大切なことだと思うよ」

「そうか。やはり読書を続けることも大事ですね!」

「そう、自分のペースでよいから、読書を習慣にするといいよ」

「もちろん、そうします。部長のお陰で、読書の楽しさにも目覚めましたから。それに、読書会で仲間と語り合うのもまた楽しいんです!」

「いっしょに学べる仲間がいるというのは、素晴らしいことだよ」

「はい。あとは一緒に飲める仲間もですね! 早く部長と一杯やりたいなぁ」

「たぶん5月になったら、ドクターのOKがでると思うから、もうしばらくお待ちください」


ひとりごと

独りで心を落ち着けて本を読むことも良いことですが、一冊の本について仲間と語り合うのもまた素晴らしい学びになります。

それが読書会に参加する意義です。

そして、共通言語をもった仲間と旅に出る。

それもまた素晴らしい経験と学びとなります。


【原文】
学は自得するを貴ぶ。人は徒らに目を以て字有るの書を読む。故に字に局して、通透(つうとう)するを得ず。当に心を以て字無きの書を読むべし。乃(すなわ)ち洞して自得する有らん。〔『言志後録』第138章〕

【意訳】
学問は自ら努力して理解することが貴いのである。人は文字で書かれた書物を目だけで読もうとする。したがって字句に拘ってしまい、真の道に透徹できない。まさに心で文字無き書を読まねばならない。つまり洞徹して自らの努力によって理解するようでなければいけない

【ビジネス的解釈】
本を読むことだけが学びではない。むしろ実際の仕事を通して多くの事を学ぶことができる。


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