今日の神坂課長は、F医科大学病院の内視鏡センターでのプレゼンの準備をしているようです。

「本田君、順番はウチが先、Y社が先?」

「まだ決まっていないと思いますが、後の方が良いですよね?」

「なぜ?」

「相手の出方をみて修正できますから」

「なるほどね。そういう考え方もあるが、俺は先手必勝を好むんだよね」

「先の方が有利だというのですか?」

「うん。先手でプレゼンをして、Y社の弱点であり当社の強みとなっているところを強調して、印象づけるんだよ」

「ほぉ」

「すると、後手のY社さんのときに、必ずドクターはそこを質問する。必然的にY社は弱みの言い訳をしなければならなくなる」

「なるほど」

「つまり、一所懸命にマイナスをゼロにする作業に追われるわけだ」

「面白いですね」

「そのためには攻めのプレゼンが必要になる。かといって、相手を露骨に誹謗中傷するのはダメだよね」

「そうでしょうね」

「兵法の鉄則は相手の背後を取ることであり、相手の守りの手薄なところを攻めることだ。これは商売でも同じだよね」

「たしかにそうですね。『孫子の兵法』はよく解説本やビジネス版の新刊が出ていますもんね」

「ははは。それを買って付け焼刃のクセに偉そうに話しているのが俺です」

「でも、おっしゃるとおりですよ。小宮先生のところにお邪魔して、順番を先にしてもらえるようにお願いしてきます」

「ぜひ、そうするといいよ。あとは、相手が突いてくると思われるウチの弱点に対してのカウンタートークをどう作り上げるかだ。言い訳をして、マイナスをゼロにするのではなく、マイナスを視点を変えて一気にプラスに変えるようなカウンターを打ちたいな」

「では、次はその点についてディスカッションしましょう!」


ひとりごと

『孫子の兵法を商売に適用した本は数多発売されています。

小生が好きなのは、NIコンサルティングという会社の社長をしている長尾一洋さんの本です。

長尾さんは自ら「孫子兵法家」と名乗り、ビジネスに『孫子』を応用しており、ブログもたくさん書いています。

小生も「論語活学人(ろんごかつがくびと)」を名乗り、『論語』をビジネスや実生活に応用するための勉強を続けています。


【原文】
敵背後に在るは、兵家の忌む所、実を避けて虚を擣(う)つは、兵家の好む所、地利の得失、防禦の形勢、宜しく此れを以て察を致すべし。〔『言志晩録』第104条〕

【意訳】
敵が自分の背後にいることは、兵法家の良しとしない所である。また敵の兵力が充実している所を避けて、手薄な所を攻めることは、兵法家の良しとする所である。地形の有利不利や防御の状況などは、こうした点を踏まえて考察することが重要である

【所感】
ライバルの動きを事前に察知し、ライバルの守りが手薄なところを攻めることが商売を成功させるポイントである。


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