今日の神坂課長は、営業2課の課別ミーティングを開催したようです。

「O社さんがなかなか新製品を出してくれないから、最近はF社さんにやられっ放しですよ」

「石崎、メーカーさんのせいにしても何も変わらないぞ」

「でも、課長。やっぱり性能差があると難しいですよ!」

「もちろん製品の性能は、お客様が重視する大きな要素だろう。しかし、画質が違うといっても、F社の内視鏡で見えて、О社の内視鏡で見えない病変などないはずだろう?」

「それはそうですけど、やっぱり画質が良い方が売りやすいです」

「俺たちはディーラーだ。メーカーさん以上にお客様と密着して、お客様の課題解決のお手伝いをしなければならない。性能差を巻き返せるだけの関係づくりを目指そうじゃないか」

「・・・」

「それに俺たちはチームで販売をしているんだ。お前が担当する前にその施設を担当してた先輩もいる。もちろん俺にも顔があるご施設がたくさんある」

「僕たちは、ひとりじゃないんですね。そういえば、この前も課長が院長の奥様にフォローの電話を入れてくれたお陰で、なんとか商談を勝ち取ることができましたね」

「頼りになる上司がいるとありがたいだろ?」

「まあ、そうですね。ウザいときの方が多いですけど」

「なんだと、クソガキ!」

「ほら、またウザい上司が登場だ!」

「山田さん、なんとか言ってやってよ」

「わ、私ですか? 急に振られましても・・・」

「それはそうだな」

全員、爆笑しています。

「ひとつだけ言えるのは、私たちは良いチームだということです」

「山田さん、それ! それを言って欲しかったんだ。その良いチームをつくったのは誰だ、石崎?」

「えーと、山田さんですか?」
石崎君が舌を出しています。

「このガキ、本当に生意気だな」


ひとりごと

知識や技術も大事ですが、やはりその土台には心があります。

頼るべきは人の心と規律だという一斎先生の言葉は、業種を問わずどんな組織にも当てはまることではないでしょうか。

小生がずっと身を置いている営業部門においては、まさに至言ともいえる教えです。


【原文】
器械を頼むこと勿れ。当に人心を頼むべし。衆寡を問うこと勿れ。当に師律(しりつ)を問うべし。〔『言志晩録』第105条〕

【意訳】
戦争においては、武器に頼ってはいけない。人の心を頼りにすべきである。軍勢の多い少ないを問うてはいけない。軍の規律を問わねばならない

【一日一斎物語的解釈】
営業部隊の成果は、営業のツールや人数にあるのではなく、メンバーのマインドとチームワークに懸かっている。


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