営業2課のミーティングはまだ続いているようです。

「営業マンのテリトリーというのは、各課長がそれなりに配慮して決めているんだ。もちろん佐藤部長にも相談しながらな」

「ベテランが大手施設を担当して、若手は中小病院を担当するということですか?」

「善久、それほど単純ではないよ。各メンバーの成長を意識して決めている部分もある」

「そうなんですか?」

「大手の施設でも、ベテランがフォローできる体制にあるなら、思い切って若手に任せるケースもあるぞ」

「じゃあ、私もゼンちゃんも大手を任せてもらえないのは、若いからというだけではないのですか?」

「石崎、そのとおりだ。もちろんお前たちの実力も考慮してはいるが、フォローできる体制がとれるかどうかも重要だからな」

「私たちは、まだまだ知識も技術も足りていませんからね」

「善久、それはそうだが、それ以上に足りていないのは、経験とマインド、つまり心構えだよ」

「技術だけでは売れないって、よく課長は言いますよね?」

「そうだ。心と技術と知識のバランスが良くないと売れ続ける営業人にはなれないんだ」

「そうかぁ、早く大手施設を担当したいなぁ」

「お前たちも来年は4年生になるんだよな。俺が今まで担当していた施設を任せていくつもりだよ」

「本当ですか?」

「嘘を言っても仕方ないだろう。だから、来年に向けて、テクニックだけでなく、心を磨けよ!」

「心ってどうやって磨けば良いのですか?」

「お客様のために、自分ができることを手を抜かずにやる。そういう意識で仕事をすれば、自然と心が磨かれるはずだ」

「わかりました! ゼンちゃん、手を抜かずに頑張ろうぜ!!」


ひとりごと

営業チームは常にチームセリングを意識しなければいけません。

個人ではなく、チームで商談に取り組むことで、お客様の真の課題解決のお手伝いができるのです。

そのためには、技術以上に心を磨く必要があります。

心が技術を超えない限り、技術は生かされない(中村信仁さんの言葉)

のです!


【原文】
都城に十隊八方の防火を置く。極めて深慮有り。蓋し専ら撲滅に在らずして、而も指揮操縦の熟するに在り。侯家も亦宜しく其の意を体し、騎将をして徒らに其の服を華麗にし、以て観の美を競わしむる勿るべし。得たりと為す。〔『言志晩録』第106条〕

【意訳】
江戸城下には十隊の火消組を四方八方に配備している。これは極めて深い考えがあるのだ。私が思うに、ただ火を完全に消し去ることだけでなく、戦闘時において指揮命令系統を熟達させることにあるのだろう。大名家もその意図をよく理解して、騎馬隊の大将に対し徒にその服装を華美にして、その美を見せることを競わせるようなことをしてはならない。誠に結構なことである

【一日一斎物語的解釈】
営業部隊のリーダーは、常にチームセリングを意識し、テクニックに走りすぎないように配慮すべきである。


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