今日の神坂課長は、営業部の佐藤部長と晩酌中のようです。

「この前、百田尚樹さんの『日本国紀の天皇論』という本を読んで驚いたのですが、わが国の天皇家は万世一系であって、男系継承をルールとしてきたことには、大きな意味があったのですね」

「ほお、どういうこと?」

「男性の遺伝子はXY、女性の遺伝子はXXですよね。つまり男の子であれば、確実に父親のY遺伝子を継承しているわけです。女の子の場合、父親からもらったX遺伝子がその父親からもらったものか、母親からもらったものかがわからないわけです」

「なるほど」

「もちろん今なら遺伝子解析をすればわかるのかも知れませんが、少なくともはるか昔にそんなことが解析できるわけはないですよね」

「そうだね」

「つまり確実に神武天皇の血を継承するには、男系継承が確実なわけです。それを肌感覚で感じ取っていた古代人というのは、凄いなぁと思いましてね」

「たしかにね。そう考えると、古来人間が感覚的に正しいと思って続けてきたことが、現代の科学によって次々と証明されているのかもね」

「やっぱり人間は何か別の力で生かされているように思えてきますね」

「だからこそ、天皇は男系継承でなければいけないんだよね」

「そうなんです! 女性天皇はこれまでも何人かいましたが、女系天皇はいないんですよ! よく勉強もせずに女性でもいいじゃないかという議論をするのは危険だとわかりました」

「女性天皇は8人10代だね。今は皇室典範で女性天皇自体が認められていないけれど、仮に愛子様が天皇になったとしても、次の天皇を男系の天皇が継げば万世一系は守られるわけだ」

「そうらしいですね。女性天皇と女系天皇の違いがようやくわかりました」

「天皇家もそうだけど、古くから守られている慣習にはそれなりの意味がある。ただ、時代に合わないというだけの理由で廃止するのは危険な考え方だよね」

「はい。日本が日本でなくなる可能性があります」

「しっかりと考えなければいけない問題だよね」

「子供たちにも伝えていかないといけませんが、なかなか説明が難しいですね」

「うん。医療器械のPRの方がはるかに簡単でしょ?」

「はい。それなのに最近は売り上げも低調です。しっかりしないといけませんね。(笑)」


ひとりごと

「古き良きもの」と聞くと、小生はどうしても万世一系の天皇家のことを思ってしまいます。

今年、前天皇が上皇となり、新天皇に譲位したことで、とてもおめでたい皇位継承を直接体験することができました。

わが国の大きな宝のひとつが天皇家であり、天皇なくしてわが国は成り立たないということを強く実感する今日この頃です。


【原文】
我が邦独立して異域に仰がざるは、海外の人皆之を知る。旧法を確守するの善たるに如かず。功利の人は事を好む。濫りに聴く可からず。〔『言志晩録』第117条〕

【意訳】
我が国は鎖国によって独立しており諸外国に何も求めていないことは、海外の人たちは皆知っていることである。古くからの慣習を固く守っていくことは非常に良いことである。功利主義者はなにかと新しい事を好む傾向があるが、そういう意見を盲目的に聴くようなことをすべきではない

【一日一斎物語的解釈】
古き良きものは守っていくべきである。無条件に新しいものを取り入れようとするのは宜しくない。


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