今日の神坂課長は、自宅で次男の楽(がく)君と会話をしているようです。

「楽は将来、どんな大人になりたいんだ?」

「そんなの考えたことないよ。まだ俺は中二だよ」

「中二ならそのくらいのこと考えろ!」

「じゃあ、父さんは中二のときはどう考えていたの?」

「えっ、俺か? 俺はあれだよ・・・」

「なんだよ、父さんも考えてなかったんじゃん」

「バレたか。だが、今となってはそれを後悔しているんだよ。だから、お前たちには、しっかりとビジョンを持ってもらいたくてな」

「そうだね。父さんみたいになりたくないもんな」

「この野郎、本人にそれを言うか? こうみえても、父さんは意外と凹みやすいんだぞ」

「よくわからないけど、尊敬される人になりたいな」

「なるほど、いいじゃないか。ところで、楽は尊敬している人はいるのか?」

「うーん、すぐに思いつかないなぁ」

「もし、人から尊敬される人になりたかったら、まず自分が人を尊敬するのが先なんだよ」

「へぇ、そういうものなの?」

「そうだ。逆に言えば、人を馬鹿にするような人は、他人からも馬鹿にされるんだ」

「そういえば、昔は父さん、よく人の悪口を言っていたよね」

「そ、そうだっけ? 昔は、だろう? 今は違うよな?」

「そういえば最近は言わなくなったね」

「お前、よく人を観察しているな」

「でも、わかる気がする。テニス部に中田っていう奴がいるんだ。そいつはテニスは下手なんだけど、いつも周りの仲間を褒めているんだよ」

「周りの人を素直に尊敬できているんだな」

「そのせいなのかな? 中田の周りにはいつも友達がたくさんいるんだよね」

「褒められて嫌な気がする奴はいないだろう。きっと、みんなは中田君と一緒にいると気持ちよくなれるんだろうな」

「そういうことだったのか!」

「どんな人にも長所と短所がある。中田君は人の長所だけを見ているんだろうな」

「よし、俺も今日から人の長所を褒めることにする!」

「いいね。そうすれば、お前自身がきっと尊敬される人になれるさ!!」


ひとりごと

敬とは己を空しくすること。

森信三先生の至言です。

自分の心を空っぽにしてこそ、他人の良さに素直に気づくことができる。

そして、素直にそれを表現できる。

そうなれば、自然と他人も自分を好意的に見てくれるようになるのでしょう。


【原文】
敬を持する者は火の如し。人をして畏れて之を親しむ可からしむ。敬せざる者は水の如し。人をして狎れて之に溺る可からしむ。〔『言志晩録』第174条〕

【意訳】
常に敬い慎む気持ちをもっている人はまるで火のようである。人からは畏怖の念を抱かれるが親しく接することができる。つまり相手からも敬されるのだ。敬い慎む気持ちのない人はまるで水のようである。付き合い易く見えるが狎れあいの関係に溺れてしまう。つまり相手からは馬鹿にされてしまうのだ

【所感】
常に人を敬う気持ちがある人は、他人からも敬われる。逆に、人を敬う気持ちのない人は、他人からも馬鹿にされるものだ。


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