仲良し三人組が飲み会をしているようです。

「なあ、俺たちの会社はこの先大丈夫なのかな? 医療器ディーラーは消えていく運命にある、みたいなことを言っている人もいるんだよね」
石崎君が心配そうに話しています。

「たしかにね。俺たちが定年するまで、この会社は残っているのかなぁ?」
善久君です。

「ゼンちゃん、そもそもディーラーという業態がなくなっているかもよ。アマゾンが全部デリバリーをしてしまう時代が来ちゃうんじゃないかな」

「二人とも、先のことをいくら心配してもどうにもならないよ。将来を創るのは今なんだから」
願海君が諭しています。

「ガンちゃん、じゃあどうすれば将来を創れるの?」

「ザキ、さすがにこうすればいい、という答えは今の僕にはわからないよ。でも、この会社をここまで育ててきてくれたのは、今の課長以上の諸先輩たちだよね」

「まあ、そうだろうな」

「この会社を大きく育ててきた先輩たちって凄いと思わないか? そんな会社で働かせてもらえていることにまずは感謝しないといけないと思うよ」

「そうか、それはそうだね。だからこの会社を創ってきた先輩に感謝をし、先輩の後を引き継いで、今僕たちがどれだけ頑張れるかで、この会社の将来が決まってくるんだね」

「さすがはザキだ。すぐにポジティブに考えられるのは、君の長所だね」

「でも、ガンちゃん。さっきザキが言ったように、医療器ディーラーという職種が無くなったらどうしようもないよね?」

「そう。だから、仕事の内容を変えていくのが僕たちの使命なんじゃないかな?」

「仕事の内容を変える?」

「うん。医療機器は年々種類も増えて、使い方も複雑になってきている。ドクターが自分で最適な器械を選ぶのは、どんどん難しくなってきていると思わないか?」

「それは間違いないよ」

「その一方で、医師の働き方改革も大きな問題になってきた」

「ガンちゃん、何が言いたいの?」

「つまりだよ、ザキ。俺たちがどんどん学会に参加して情報を集めることもしていくべきだと思うんだ。最新の手技や製品のトレンドを先生方に提供することができれば、評価してもらえるんじゃないかな?」

「たしかに、学会って土日の開催が多いもんね。ドクターは休みを返上して学会に参加しているんだろうね」

「うん。僕はもっと学会に参加させてもらいたいと新美課長にお願いしてみるつもりだよ」

「よし、ゼンちゃん。俺たちもカミサマにお願いしよう」

「そうだね、ザキ。僕たちの代でこの会社を潰すわけにはいかないもんな!」


ひとりごと

今の自分は、過去の自分の作り上げた作品であり、今の自分が将来の自分を作り上げていくのです。

将来を不安に思う暇があったら、今何ができるかを真剣に考え、すぐに行動すべきではないでしょうか?

過去の自分が積み重ねてきた失敗を糧にすれば、きっとすばらしい将来の自分を作り上げられるはずです!


【原文】
人は皆将来を図るも而も過去を忘る。殊に知らず、過去は乃(すなわ)ち将来の路頭たるを。分を知り、足るを知るは、過去を忘れざるに在り。〔『言志晩録』第193条〕

【意訳】
人はみな将来のことは考えるというのに、過去のことは忘れてしまう。過去の出来事が将来の布石となっているということには特に気が付かないものである。自分の分際を知り、足るを知るということは、過去を忘れないということである

【一日一斎物語的解釈】
過去の自分が今の自分をつくり、今の自分が将来の自分をつくることを忘れてはいけない。足るを知るとは、過去を忘れないことなのだ。


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