今日の神坂課長は、石崎君にお小言を言っているようです。

「神坂課長、私は褒められて伸びるタイプなので、あんまり叱られるとやる気をなくしてしまうんですよねぇ」

「ボケ! そういうことは自分で言わねぇんだよ!」

「そういう神坂課長だって、褒められた方が伸びるタイプじゃないんですか?」

「うっ、たしかにそうかも? いや、俺はダメだ。褒められると調子に乗って、かえって失敗するタイプだ」

「サルもおだてりゃ木に登るってやつですね?」

「誰がサルだ!!」

「昔からの諺じゃないですか。マジに怒らないでくださいよ」

「そういうお前も、俺と似た臭いがするんだよ。お前も褒めて伸びるというよりは、厳しく接した方が伸びるタイプだと思うけどなぁ」

「叱られるのは嫌ですよ」

「でも、お前は俺が厳しいことを言った後は、ちゃんとそれを実践して成長しているじゃないか」

「ほ、本当ですか?」

「ほら、褒めたらすぐに調子に乗るだろう」

「なんだ、ウソかよ」

「ごめん、ごめん。今言ったことは本当のことさ。お前は俺の指導をちゃんと理解してくれているよ」

「そういうの大好物です! もっとください!!」

「やかましいわ! 人間というものは、逆境の時というのには意外と堪えられるものなんだ。だが、好調時にはつい調子に乗って足を踏み外しやすいんだよ」

「そうですかねぇ。今、褒めてもらえたの、メッチャ気持ちよかったけどなぁ」

「それは俺のアメとムチのバランスが絶妙だからだろう。厳しいムチの間につかの間のアメをもらえるからおいしいんだよ」

「それほどのものではないような・・・」

「さて、アメはこれくらいにしておこう。では、ムチの続きを始めるとするか?」


ひとりごと

誰しも逆境よりは順境の方が良いに決まっていますね。

しかし、意外と逆境には堪えられても、順境の中で自分を律することは難しいのではないでしょうか?

最近の若い人は違うのかな?

私のような昭和の人間は、どちらかというそうなのですが・・・。


【原文】
背撻(はいたつ)の痛みは耐え易く、脇搐(きょうちく)の癢(かゆ)みは忍び難し。〔『言志晩録』第197条〕

【意訳】
背中を鞭で打たれる痛みには耐えることができるが、わきの下をくすぐられるくすぐったさには耐えられない

【一日一斎物語的解釈】
厳しい指摘や叱責を受けることは、我が身を律する上で受け入れることができるが、誉めそやされたりおだてられたりした際に自分自身を見失わないようにすることは難しい


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