今日の神坂課長は、営業2課のミーティングを開催しているようです。

(神)「やはり6月に入ってもCOVID-19の影響は残っているな。どの病院も外来患者数は昨年対比で減少しているようだからな」

(本田)「消耗品の減少も深刻ですが、9月の予算執行も見直しがかかっている施設が多いようです」

(山田)「単月で赤字になっている施設は、機器購入を来年にズラして黒字を維持することも考えるでしょうね」

(石崎)「9月の半期決算は厳しい見通しとなってしまいますね?」

(神)「COVID-19に関しては、期初に誰も予想していなかったことだし、天災みたいなものだから、この状況を歎いても仕方がない。一旦受け入れて、そのうえで年間での計画達成を目指すという方向転換が必要だろうな」

(山)「そうですね。受け入れるところは受け入れて、逆らうところは逆らうという舵取りが必要になりますね」

(本)「特に、COVID-19は医療に直結する災いですから、我々には何か医療機関のお役に立てる道があるはずですよね」

(神)「そのとおりだよ。外来患者の減少による症例ダウンは受け入れる。しかし、別の形で医療機関を支援して、我々もその中で利益を頂戴することは可能なはずだ」

(善久)「具体的にはどんなことがあるのでしょうか?」

(神)「それがわかれば苦労はないさ。すぐに思いつくのは、不足している医療物資をなんとかかき集めることだ。マスク、ガウン、ゴーグルやフェイスシールドといった消耗品だよな。あれを数日使いまわしているなんて、そんな悲惨な現状を見過ごすわけにはいかないだろう」

(山)「最近は、色々な素材メーカーがフェイスシールドやマスクの製造に取り掛かっているようですね」

(神)「できればメイド・イン・ジャパンの製品を扱いたいな。安かろう悪かろうの製品を扱えば、長い目でみたら信用を失いかねないからな」

(石)「足元を見るような商売もしたくないですね」

(本)「そうだね。利益ゼロというわけにはいかないけど、ここは薄利で医療機関を助けるという姿勢で臨まないとね」

(神)「本田君と石崎の言うとおりだ。ここは、当社の最低粗利率を下回ってでも売れるものは売っていこう。ただし、どこのディーラーも同じことを考えているだろうからな。先を読んだビジネスもしたいよな」

(山)「第二波に備えてということですか?」

(神)「というより、まだ誰も気づいていないような何かに先に手をつけたい」

(本)「何があるんでしょうか? 日付を変えて、一度じっくり検討しませんか?」

(神)「そうしよう!!」


ひとりごと

時には状況(環境)を受け容れ、その中で何ができるかを模索する。

時には状況に逆らい、何をすべきかを模索する。

いずれにしても、何もしないという選択肢を取ることだけは避けねばなりません。

行動しない限り、新しい道は開けないのですから。


【原文】
学を為すには、自然有り工夫有り。自然は是れ順数にして、源よりして流る。工夫は是れ逆数にして、麓よりして巓(てん)す。巓(いただき)は則ち源の在る所、麓は則ち流の帰する所、難易有りと雖も、其の究は一なり。〔『言志耋録』第36条〕

【意訳】
学問の手法には、自然に任せる方法と工夫を施す方法と二種類ある。自然な方法とは自然なさだめに従うので、水源から下流へと水が流れるようなものである。工夫する方法とは、さだめに逆らうもので、麓から頂上に向けて山を登るようなものである。頂上は水源のある所であり、麓に水は流れ着くのであるから、難易度の差はあるものの、その二つの方法も究めればひとつに帰するのである

【一日一斎物語的解釈】
物事を学ぶには、現状をありのままに受け容れ、足るを知る姿勢と、現状を打開するために常に不足を思う姿勢の両方が必要である。その際、利己を捨て、利他の精神で世の中に貢献できるかどうかを基準とすべきである。


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