今日は営業部の3課長で飲み会をしているようです。

神坂「3人で飲み会をするのはいつ以来だ?」

新美「たぶん、3月末依頼です」

大累「ってことは、3カ月ぶりか。これだけ長い間飲み会をしなかったのは入社以来なかったよな」

「はい。まあ、あればあったでいろいろありますけどね」

「どういうことだよ?」

「酒が入るとすぐにお二人は乱闘騒ぎになりますから」

「いつの話をしてるんだよ! それは俺たちの若かりし頃の話だろ!」

「新美、いつまでも古い話をするな。それはジジイになった証拠だぞ」

「よく言いますよ。お店に謝るのはいつも私の仕事ですよ。そう簡単に忘れられません!」

・大「大変失礼致しました!」

「そういえば、怒りというのは6秒数えるだけで、かなり鎮まるらしいぞ」

「アンガー・マネジメントですね」

「あ、そうそう。とにかく、ムッとしたら6数えるといいらしい」

「本当ですか? 神坂さんが言うと嘘くさく聞こえるんだよなぁ」

「てめぇ、先輩を信用できないっていうのか!」

「ほら、そこで6秒数えるんでしょ」

「くそ、お前、嵌めやがったな。だいたいお前こそ、いつも雑賀の挑発に乗せられてキレてるよな。バカの一つ覚えみたいによ」

「バカとは何ですか! 先輩とはいえ、許しませんよ!」

「やるのか?」

「ほらほら、周りの人が迷惑そうにこっちを見てますよ!」

「という喧嘩をよくやりましたね、神坂さん」

「やった、やった。たしかに、あのころは瞬間湯沸かし器のように、お互いの言葉に即座に反応していたな」

「6秒なんて長い時間、とても待てなかったですね。(笑)」

「もしかして、二人とも、私を嵌めました?」

「人聞きの悪いこと言うなよ。ただ、昔を懐かしんだだけだよ。ね、神坂さん?」

「そうそう。徳川家康公も『怒りは敵と思え』って言ってるからな。大人になった俺たちは、もう昔みたいなことはないわけよ!」

「だんだん、私が腹が立ってきましたよ!」

・大「はい、そこで6秒数えましょう!!」


ひとりごと 

人は喜びや怒りの感情が芽生えたときに過ちを犯す、という一斎先生のご指摘にはドキリとします。

小生の数々の失敗は、多くが怒りの感情のコトンロールができていなかったことに起因するように思います。

また、喜びもしっかり抑えないと、勘違いをして失敗します。

これも大いに思い当たるところがあります。

気をつけましょう!!(と、自分で自分に言い聞かせています)


【原文】
喜怒哀楽の四情、常人に在りては、喜怒の発するは十に六七、哀楽の発するは十に三四なり。過失もまた多く喜怒の辺りに在り。警むべし。〔『言志耋録』第48条〕

【意訳】
人には喜怒哀楽の四つの感情がある。一般の人は喜びや怒りの感情が十のうち六か七を占め、哀しみや楽しさといった感情が十のうち三か四を占める。人の過失も主に喜怒のうちに起こることが多いものである。戒めねばならない

【一日一斎物語的解釈】
人は喜びや怒りの感情が芽生えたときに過ちを犯しやすいので注意が必要である。


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