今日は営業部の3課長で飲み会をしているようです。
神坂「3人で飲み会をするのはいつ以来だ?」
新美「たぶん、3月末依頼です」
大累「ってことは、3カ月ぶりか。これだけ長い間飲み会をしなかったのは入社以来なかったよな」
新「はい。まあ、あればあったでいろいろありますけどね」
神「どういうことだよ?」
新「酒が入るとすぐにお二人は乱闘騒ぎになりますから」
大「いつの話をしてるんだよ! それは俺たちの若かりし頃の話だろ!」
神「新美、いつまでも古い話をするな。それはジジイになった証拠だぞ」
新「よく言いますよ。お店に謝るのはいつも私の仕事ですよ。そう簡単に忘れられません!」
神・大「大変失礼致しました!」
神「そういえば、怒りというのは6秒数えるだけで、かなり鎮まるらしいぞ」
新「アンガー・マネジメントですね」
神「あ、そうそう。とにかく、ムッとしたら6数えるといいらしい」
大「本当ですか? 神坂さんが言うと嘘くさく聞こえるんだよなぁ」
神「てめぇ、先輩を信用できないっていうのか!」
大「ほら、そこで6秒数えるんでしょ」
神「くそ、お前、嵌めやがったな。だいたいお前こそ、いつも雑賀の挑発に乗せられてキレてるよな。バカの一つ覚えみたいによ」
大「バカとは何ですか! 先輩とはいえ、許しませんよ!」
神「やるのか?」
新「ほらほら、周りの人が迷惑そうにこっちを見てますよ!」
大「という喧嘩をよくやりましたね、神坂さん」
神「やった、やった。たしかに、あのころは瞬間湯沸かし器のように、お互いの言葉に即座に反応していたな」
大「6秒なんて長い時間、とても待てなかったですね。(笑)」
新「もしかして、二人とも、私を嵌めました?」
大「人聞きの悪いこと言うなよ。ただ、昔を懐かしんだだけだよ。ね、神坂さん?」
神「そうそう。徳川家康公も『怒りは敵と思え』って言ってるからな。大人になった俺たちは、もう昔みたいなことはないわけよ!」
新「だんだん、私が腹が立ってきましたよ!」
神・大「はい、そこで6秒数えましょう!!」
ひとりごと
人は喜びや怒りの感情が芽生えたときに過ちを犯す、という一斎先生のご指摘にはドキリとします。
小生の数々の失敗は、多くが怒りの感情のコトンロールができていなかったことに起因するように思います。
また、喜びもしっかり抑えないと、勘違いをして失敗します。
これも大いに思い当たるところがあります。
気をつけましょう!!(と、自分で自分に言い聞かせています)
【原文】
喜怒哀楽の四情、常人に在りては、喜怒の発するは十に六七、哀楽の発するは十に三四なり。過失もまた多く喜怒の辺りに在り。警むべし。〔『言志耋録』第48条〕
【意訳】
人には喜怒哀楽の四つの感情がある。一般の人は喜びや怒りの感情が十のうち六か七を占め、哀しみや楽しさといった感情が十のうち三か四を占める。人の過失も主に喜怒のうちに起こることが多いものである。戒めねばならない。
【一日一斎物語的解釈】