今日の神坂課長は総務課の大竹課長とランチをしているようです。
「だんだんこのアクリル板越しの会話にも違和感を感じなくなってきましたね」
「これがいわゆるニューノーマルなのかね?」
「そうかもしれませんけど、この暑い時期にマスクをすることだけはノーマルになって欲しくないですね」
「眼鏡が曇って仕方ないもんなぁ。アフターコロナで眼鏡が減ってコンタクトが増えたりして」
「あり得ますね。実際、営業の世界ではマスクをするというのはよろしくないんです。タケさんだって、初めて会う営業マンがマスクをしていたら、なんか不安じゃないですか?」
「それはそうだね。表情の半分は隠れてしまっているもんね」
「はい。それに、お客様の表情が見えないというのもやりにくいんです。表情には多くのサインが出ていますから」
「なるほどな。そもそもマスクをしているとなんだか心もどんよりするよねぇ。まるで今の天気みたいな感じでさ」
「そうなんですよ。心は本来、青空のように澄んでいて、そこに真っ赤な太陽が照りつけている状態であるべきなんだと、一斎先生も言っています」
「『いつも心に太陽を』って曲があったよね。郷ひろみだっけ?」
「知らないですよ、そんな曲」
「そうか、今から40年くらい前の曲だもんな。まだ、神坂君はよちよち歩きの頃か?」
「そうですけど、そんなことはどうでも良くて、とにかく心を曇らせないようにするにも、マスクが常態化するのは避けたいですねぇ」
「マスクだけじゃないよ。この微妙な距離も営業に影響するんじゃないの?」
「そうなんです。お客様の心の中にスッと入り込むには、1mくらいがちょうど良いんです。その距離でお客様の不安や課題をお聞きして、解決策を提示し、心の曇りを取り払って青空に戻してあげるのが営業なんですよ!」
「神坂君の話を聞いていると、営業という仕事が面白そうに感じるよ。俺の友人なんかには、営業をやっていながら否定的な奴も多いんだけど、当社の営業部の連中はみんな目が輝いているよね」
「もちろん、中には悩んでいる奴もいますけど、きっとほとんどのメンバーの心は真っ青な晴天で、そのど真ん中に太陽が燦燦と輝いていますよ」
「素晴らしい!」
「佐藤部長のお陰です。あの人が厄介者の私とか大累とか清水を上手に掌の上で転がしてくれて、少しずつ改心させてくれたんです」
「ということは、佐藤さんはお釈迦様ってことか?」
「釈迦でもあり、孔子でもあります」
「そりゃ凄いな。これからは会ったら拝むことにしょう!」
ひとりごと
青天白日は常に我れに在り、という言葉は良いですね。
皆様の心の太陽や青空は輝いていますか?
COVID-19の影響で、心の太陽も青空も雲に隠れてしまっていませんか?
COVID-19の影響で、心の太陽も青空も雲に隠れてしまっていませんか?
天気を変えることはできませんが、自分の中にある青天白日は、自分の力で輝かせることはできます。
起きてもいない未来の出来事を心配するより、今をできる限り楽しみましょう!!
【原文】
「心静にして方(まさ)に能く白日を知り、眼(まなこ)明らかにして始めて青天を識るを会(え)す」とは、此れ程伯(ていはく)氏の句なり。青天白日は常に我れに在り。宜しく之を坐右に掲げ以て警戒とすべし。〔『言志耋録』第57条〕
【意訳】
「心静にして方に能く白日を知り、眼明らかにして始めて青天を識るを会す(心が静かであれば、太陽の恩恵を知ることができ、眼が明らかであれば、青空の広大無辺なことを知ることができる)」とは、程明道の言葉である。青天白日は常に自分の中に存在している。これを座右の言葉とし、戒めの言葉とすべきだ。
【一日一斎物語的解釈】
心を静めて、自分の心の太陽の輝きを感じ、視野をクリアにして、心の青空を見失わないようにすべきだ。