今日のことば

【原文】
人は須らく快楽なるを要すべし。快楽は心に在りて事に在らず。〔『言志耋録』第75条〕

【意訳】
人はつねに快く楽しい状態であるべきである。快楽というものは自分の心の中に在るのであって、事物そのものにあるわけではない

【一日一斎物語的解釈】
人生の喜びは、物を所有することではなく、心を満たすことに注がれねばならない。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、佐藤部長と同行中のようです。

COVID-19の影響で、再びメーカーさんの訪問規制は厳しくなってきましたね」

「こういう時に現場さんが困らないように、しっかり仕事をするのが我々の役目だね」

「それにしても、外出することが制限されるといろいろな価値観が変わりますね。ウチのカミさんなんて、外出する必要がないから服を買うお金が浮いたとか言ってました。喜んでいいのか、悪いのかって感じです」

「ははは。そういう意味での価値観も見直すときなのかも知れないね」

「どういうことですか?」

「我々はどうしても物を所有することで満足する傾向があるよね。それで幸せを感じるといった面がね」

「たしかに、それはありますね。少しでも良い車に乗りたいとか、高い時計が欲しいとか」

「しかし、それも外出しないなら宝の持ち腐れだよね」

「そうですねぇ」

「一斎先生は、物を所有することで感じる喜びは本物の喜びではない、と言っている。いかに心を満たすかだってね」

「なるほど、心を満たすか。となると、読書ということになるのですかね?」

「もちろん、読書はそうだろう。でも、いまこそ家族の絆とか、家族愛みたいなものも見直す必要があるんじゃないかな? 皆が無事に暮らせていることが、いかに幸せなことかってことをね」

「ああ、そうですね。明らかに普段より顔を合わす機会も多いので、自然と会話も増えます。それは、とても良いことなんですね」

「僕は今はひとりだからね。神坂家が羨ましいよ」

「そういえばこの前、時々家族で行く回転寿司でテイクアウトを頼んで、みんなで食べたんですけど、なんだか幸せを感じました」

COVID-19によって、多くのことが制限されて、窮屈になっているけれど、一方でそういう何気ない日常に感謝する機会も与えられたんだろうね」

「家族で笑い合うというのは、読書なんかよりはるかに心を満たしてくれますね」

「人間の感じる最高の喜びはそこにあると思うよ」

「なるほどなぁ。今度の土日には昔のビデオでも引っ張り出して、家族で鑑賞会を開いてみるかな!」


ひとりごと 

2001日目を迎えて、レイアウトを一新してみました。

まず、『言志四録』の言葉を味わう。

その後に関連するストーリーをお読み頂き、最後にひとりごとで締める。

しばらくはこのスタイルでいってみます。


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