今日のことば

【原文】
天道は変化無くして而も変化有り。地道は変化有りて而も変化無し。我れ両間に立ち、仰いで観、俯して察し、裁成して之を輔相(ほそう)す。乃ち是れ人道の変化にして、天地に参する所以なり。〔『言志耋録』第83条〕

【意訳】
天の道は変化がないようで変化している。即ち日月星辰は常に変わることなく昼と夜に変化する。地の道は、変化があるようで変化がない。山川草木は常に変化しているようで春夏秋冬を繰り返す。私はこの二つの間にあって、天を仰いで天の理を観察し、俯しては地の理を観察して、天地の道が成就するように治め整え、天地の働きが適時適宜を得るように助けている。これが人道の変化であり天地の理を我が身に留める理由である

【一日一斎物語的解釈】
不変の中に変化を読み取り、変化の中に不変を読み取る。このようにして宇宙の摂理に逆らわずに生きることができれば、大きな問題は起こり得ない。。


今日のストーリー

神坂課長が外回りから帰社したようです。

「暑い! この暑さは命に拘わるな」

「私もさっき帰ったのですが、下着のシャツがびしょ濡れで、今は逆にクーラーに当たって寒いです」
先に帰社していた大累課長が答えたようです。

「これからは着替えが必要だな。野球のアンダーシャツじゃないんだからなぁ」

「今年はCOVID-19のお陰で、季節の変わり目を感じないまま、突然真夏がやって来た感じですね」

「本当だな。今年は花見もできなかったし、季節を感じることがなかったが、さすがに今日は夏を実感したよ」

「明日から休みだし、家族で海にでも行きたいですよ」

「行けばいいじゃん」

「え、良いんですかね?」

「自己責任だよ。まあ、一応県外には出ないようにと言われているから、県内の海水浴場に行けば良いんじゃないか」

「そうか、行ってみようかな」

「しかし、考えてみると、今年はCOVID-19の影響でいつもと違う毎日を暮らしているようだけど、ちゃんと季節は移り変わっているんだな」

「変化しても変化しないものがありますね」

「俺らがガキの頃に比べると真夏の気温は5℃以上高くなっている気がするよな。春夏秋冬は今も昔も変わらないけど、その中にも変化がある。つまり、変化の中に不変ものもがあり、不変のものの中にも変化の兆しはあるということか」

「それ、我々のビジネスに関しても大事なことですよね。変わらないものと変化するものとを見極めて、変化するものには競合他社に先駆けて対応していく必要がありますからね」

「そのとおりだな。その変化の兆しを見損なうと、企業が傾く原因となるかもしれない」

「逆に、変えてはいけないものを変えても、企業は傾きますね」

「うん。前にウチの課のメンバーとも話したんだけど、顧客のニーズは変化する。しかし、常に顧客の課題はあり続ける。顧客の欲しいものに目を向けるのではなく、顧客の課題にフォーカスすることが重要だな」

「なるほど。ウチの課でもその議題でディスカッションしてみます」

「なんて、話しているうちに、俺もだんだん身体が冷えてきた。休み明けから着替えを持ち歩こうかな?」


ひとりごと 

変わらないと思うものの中にも必ず変化の兆しはあり、変わっていくものにも一定の変化のルールがあります。

それをよく見極める能力は、ビジネスにおいて大変重要なスキルのひとつでしょう。

ひとつのことに拘り過ぎず、なおかつ流され過ぎず、自分の軸、評価の軸を明確にして生き、そして仕事をしていかねばなりません。


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