今日のことば

【原文】
敬する時は、身強健なるを覚ゆ。敬弛めば則ち萎苶(いでつ)して、或いは端坐する能わず。〔『言志耋録』第90条〕

【意訳】
敬の心を発揮しているときは、自分の身体までが強く健やかになったように感じるものだ。逆に、敬の心がゆるむと、身体がなえしぼんで、しっかりと座ることすらできなくなる

【一日一斎物語的解釈】
敬すると心に緊張感を呼び起こし、身も引き締まる。逆に、敬する心を失うと、身も心も弱ってくる。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、ご満悦の表情でネットニュースを見ているようです。

「神坂課長、すごく嬉しそうですね」
石崎君が声を掛けたようです。

「そりゃ、そうだろう。菅野がまた完封で、虎軍団に1対0で勝利だぞ。爽快極まりないじゃないか!」

「やっぱり、それですか。(笑)」

「超一流の投手というのは、1対0のような僅差で勝っている時の方が、アドレナリンが出て好投するもんだよな」

「相手が阪神というのも、あるんじゃないですか? 伝統の一戦ですから」

「たしかにな。菅野の中に阪神に対する敬意があるんだろう。相手を敬うからこそ、ピリッとした緊張感をもって勝負できる。その結果、身も心も引き締まるんだろうな」

「それでアドレナリンが出るんですね。営業マンも同じですかね?」

「それはあるかもな。ポンコツの同業さんと競合するより、やり手のライバルと戦う方が燃えるし、ときに良いアイデアが浮かぶもんな」

「ということは、神坂課長も超一流ということですか?」

「お前、今頃何を言ってるんだよ。そんなの当たり前じゃないか。しかし、ジャイアンツの若手投手は幸せだよ。球史に残る名投手の投球を間近で見て学べるんだからな」

なぜかニヤニヤしながら、石崎君を見つめています。

「あっ、そういうことですね。はい、私もとっても幸せです。神坂課長という超一流の営業マンの仕事を間近で見れるんですから」

「棒読みだな。まったく感情が入ってないじゃないか」

「課長、『敬』という字には「うやまう」という意味の他に、「つつしむ」という意味があると、以前に仰ってましたよね?」

今度は、ニヤニヤしながら石崎君が神坂課長を見つめています。

「あっ、そういうことか。そうだな、俺は幸せだよ。優秀な部下がいつもサポートしてくれるからな」

「課長の方が棒読み度が強いですよ。(笑)」


ひとりごと 

緊張感をもって仕事をすることは大切ですね。

緊張するからこそ、身も引き締まり、頭もフル回転するので、良い結果が出やすくなります。

ただし、緊張しすぎると、身体がこわばり、結果も芳しくないものに終わります。

やはり、緊張感を適度に保つための秘訣は、しっかり準備すること。

これに優るものはありません。


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