今日のことば

【原文】
凡そ事を為すには、将に先ず其の義の如何を謀るべし。便宜を護ること勿れ。便宜も亦義の中に在り。〔『言志耋録』第96条〕

【意訳】
なにか事を為す場合に、まずそれが正しい道に則っているかを見極めるべきである。都合の良い解釈をしてはいけない。都合の良いことも正しい道に則ってこそ正しく行われるのだ

【一日一斎物語的解釈】
何かを成し遂げたいと思うなら、先義後利を忘れてはいけない。義にかなった利であれば、遠慮せずに受け取るべきである


今日のストーリー

今日の神坂課長は、善久君と価格の相談をしているようです。

「善久、なんでこんなに値引きしたんだ?」

「いや、ちょっと利益を取り過ぎかなと思いまして・・・」

「でも院長先生は、この価格にしてくれれば良いと言ってるんだろ?」

「はい。でも、粗利が20%もあるんですよ、ちょっと多すぎませんか?」

「じゃあ、お前は自分のボーナスが想定していた額より20万円多かったとしたら、鄭重にお断りするんだろうな?」

「それとこれとは話が違いませんか?」

「違わないよ。お客様が支払ってくれる金額というのは、感謝の度合いによって変わるんだ。俺たちがしっかりと課題解決のお手伝いをした結果に対する報奨として頂くものだ」

「はい」

「だから、お客様が満足しているのに、それ以上価格を下げたら、かえってその製品の価値を下げてしまうことになる」

「ああ」

「正しい商売をしてたくさん利益を戴くことは、何も悪いことではないよ」

「はい!」

「もし、利益をたくさん戴いたなと思うなら、これからもしっかりとアフターサービスをして、より満足度を高めてリピートにつなげるのがお前の大事なミッションなんだよ」

「わかりました。では、最初の金額で提示することにします」

「善久、お前がお客様のことを考えた上で、価格を下げたことは悪いことではない。むしろ、その気持ちは大切だ。だけど、俺たちは商売人だ。やっぱり儲けなければいけない。そのかわり儲けたら、それを違う形でお客様に還元すればいいんだ」

「はい。すごくよくわかりました。これからもお客様に満足して頂いて、たくさんの利益を取れるように考えて行動します!」


ひとりごと

孔子は、お金を儲けること自体を否定はしていません。

だからこそ、渋沢栄一翁は、論語を経済に活用できると唱えたのです。

しかし、義のなり利は、かえって弊害となるでしょう。

つねに正しい道(義)を追求しつつ、利益を得る商売をしていく必要があります。


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