今日のことば

【原文】
静坐すること数刻の後、人に接するに、自ら言語の叙有るを覚ゆ。〔『言志耋録』第100条〕

静坐してから数時間の後、人に接すると、自分の言葉が筋道の立ったものになっていることに気がつく

一日一斎物語的解釈
ひとり静かに熟慮した後というのは、人に対して正しい対応ができるものだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、会議室にひとりで籠って2時間以上出てきていないようです。

石崎「おい、カミサマ大丈夫か? 中で死んでないだろうな?」

善久「ザキ、縁起の悪いこと言うなよ」

どうやら、非常に重大なクレームが発生しているようです。

「もしかしたら神坂課長、このまま立て籠もって、逃げるつもりじゃないだろうな?」

「ゼンちゃん、それはないよ! あの人はクレームから逃げるようなことはしないでしょう」

そのとき、会議室から神坂課長が出てきたようです。

「課長、大丈夫ですか? あんまり長い間出てこないから心配しましたよ」

神坂「少年よ、心配してくれてありがとう! さあ善久、行くぞ!」

「中で何をしていたんですか?」

「瞑想だよ。今回のクレームに関して、考えられることをすべて洗い出してみた」

「解決できそうですか?」

「それは行ってみないと分からないな。ただ、しっかりとあらゆる可能性を想定したので、かなり頭の中が整理されて、心も落ち着いてきた」

「患者さんの命に関わるクレームですもんね。これを無事に解決できたら、課長はヒーローですよ」

「なんだよ、俺はもうすでにお前のヒーローだと思ってたんだけどな」

「まだまだです!」

「ガキのくせに偉そうだな。さあ善久、誠心誠意謝罪しようじゃないか!」

「はい」

「神坂課長、がんばってください!!」

「大丈夫だ。俺には一斎先生がついている。一斎先生が言っているんだ。『静坐をして、ひとりでじっくり考えた後というのは、その人の言動に筋道が通るものだ』ってな。きっと、院長先生も理解してくれるさ!」

「解決したら、ヒーローに認定します!」

「ははは。ありがとう。別にお前のヒーローになるために仕事をしているわけじゃないけどな。(笑)」


ひとりごと

大事な仕事に臨む前には、ひとり静かに沈思黙考するのも良いのかもしれません。

怒りや不安を抱えたまま、他人と接すれば、思わぬ事態を招く恐れもあります。

何ごとも冷静な対応が我が身を助けるものです。


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