今日のことば

【原文】
「是非の心は人皆之れ有り」。但だ通俗の是非は利害に在り。聖賢の是非は義理に在り。是非、義理に在れば、則ち究に亦利有りて害無し。〔『言志耋録』第111条〕

【意訳】
『孟子』に「是非の心は人皆之れ有り(正を是とし不正を非とする心は、人は皆これを持っている)」とある。ただ普通の人の是非は損得勘定にある。聖人賢者の是非は義(善悪)にある。是非が損得ではなく、善悪によって判断されるのであれば、最終的に利益はあっても害となることはない

【一日一斎物語的解釈】
人は誰でも是非を判断する能力を有するが、凡人はその根拠を損得に置く。身を修めたものだけが、善悪を根拠として判断できるのだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、営業部特販課の大累課長とランチ中のようです。

「よく、営業における判断基準としては、損得ではなく善悪をベースにしろ、と言いますよね。あれは、頭では理解したつもりでも、実際の場面となると難しいですね」

「とくに期末の追い込みの時期になるとな」

「そうなんです。ややオーバースペックでも、高額の製品を販売したくなるんですよね」

「『そこまでの機能は、先生には不要です』と正面切って言うのも、失礼にあたるしな」

「しかし、信頼関係を害ってまで高額品を販売したら、次がありませんから」

「そういうことだよ。結局、今回のCOVID19の件でも、顧客と信頼関係を築いている施設というのは、それほど売り上げが落ちていないんだよ」

「ここにきて、いくつか複数の施設で、N社の対応が悪く、窓口担当者の変更を余儀なくされたと聞いています」

「俺も聞いたよ。デモの時に言っていたことと、納品後とで、説明が変わったと言って怒っている事務長さんもいるらしいぞ」

「N社が外される病院も出てきそうですね」

「ウチにも数件、替わりにできないかという話が来ているからなぁ」

「やっぱり基本は善悪を規準に判断しないとダメみたいですね?」

「どちらが儲かるかではなく、どちらがお客様の課題解決に効果的かを考えないとな」

「そうですね。しかし、世の中には損得勘定でしか物事を見れない奴が多過ぎますね」

「コンサルという名のコストカッターと契約する病院の事務部門もそうだよ」

「我々地元のディーラーと共存共栄を考えてくれないことが寂しいです」

「本当だよね。病院にとって一番大事なのは、コストカットではなく、集患のはずだよな。本当のコンサルなら集患についてもコンサルティングすべきなのに、やつらはそこにはノーリアクションだからな」

「たしかにそうですね。コストカットには限界がありますから、同時に集患についても手を打たないと経営環境は改善しないでしょうね」

「俺たちがそこに力を尽くせたらいいけど、そんなノウハウもないしなぁ」

「しばらくは、コストカッターに苦しめられる日々が続きそうです・・・」

「それでも、俺たちはお客様の課題解決に向けてできることを模索し続けるしかないんだよな!」


ひとりごと

短期的に物事を考えると、損得勘定に走りがちになります。

しかし、長期的にお客様と強固な関係を築こうと思うなら、善悪で判断する思考習慣が求められます。

常にお客様の課題解決を意識して動く営業マンは、最後まで切られないものだと信じて、日々の営業活動に精進します!


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