今日のことば

【原文】
天の将に雨ふらんとするや、穴蟻(けつぎ)之を知り、野の将に霜ふらんとするや、草虫之を知る。人心の感応有るも、亦此(これ)と同一理なり。〔『言志耋録』第116条〕

【意訳】
天がまさに雨を降らそうとすれば、穴の中の蟻がそれを感知し、野原に霜がおりようとすれば、草の中の虫達がこれを感知する。人の心が物事を感知し反応するのも、これと同様の摂理である。

【一日一斎物語的解釈】
虫や生物がそうであるように、人間も予兆を感じる力を有しているものだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、読売巨人軍が絶好調なので朝からご機嫌のようです。

「13連戦を10勝1敗1分けだぜ。2位と9.5差だからな、もう優勝は決まりだ。今年はあの大嫌いなクライマックスシリーズもないしな」

「ちょっと強すぎて面白くないんじゃないですか?」

石崎君です。

「じゃあ、聞くけど、もしお前の売上が順調で年間計画もクリア間違いなしだったら、新たな商談を断るか?」

「そんなわけないじゃないですか!」

「そうだろう。勝ち続けられるなら勝ち続けるのが、勝負の世界だ。もちろん、ビジネスも同じだよ」

「それにしても強すぎますよね。監督の差ですかねぇ」

「それは大きいよ。原さんは三度目、通算で1000勝以上の勝星をあげている監督だからな。残りのセ・リーグの監督はみんな新米で経験値が不足しているんだろう」

「選手起用がズバリと当りますよね」

「虫や生き物というのは、天変地異を事前に感知したりするような本能を持っているよな。もちろん人間にもそうした予知能力はあるんだろうけど、原さんは特にそれが強いんじゃないかな」

「本能的に判断しているんですか?」

「もちろん、経験に裏打ちされた本能だろうけどな」

「勝負に集中しているからこそ、ということもありますよね?」

「それもあるだろうな。試合に集中して、無の状態になると感性が研ぎ澄まされて、そういう特殊な能力が発揮されるのかも知れないな」

「私も営業の世界でそういう能力を発揮したいなぁ」

「お前には無理だな」

「なんでですか?!」

「お前は集中力が長続きしないタイプだからな。だから、いつも俺のひとりごとに乗っかってくるんだろう」

「勘弁してくださいよ。誰も相手をしないから可哀そうだと思って声をかけてあげてるのに!! だいたい課長は声がデカ過ぎるんですよ。あれは明らかに誰か相手をしてくれ、というシグナルですよね?」

「バカたれ、そんなわけないだろう」

「ここに居る皆さんは、私が課長の相手をしてあげることで、相当助けられていると思いますよ!」

「みんな、どう? 本当は、ウザいと思ってるの?」

居室の全員が目線をそらしたようです。


ひとりごと

「嫌な予感」というのがあります。

そして、その予感は時々当たります。

心を磨き、仕事に一心不乱に集中するとき、宇宙の摂理に寸分たがわぬ生き方ができるのかも知れません。


chounouryoku_woman