今日のことば

【原文】
志操は利刃(りじん)の如く、以て物を貫く可し。肯(あ)えて迎合して人の鼻息(びそく)を窺わず。古人云う、「鉄剣利なれば、則ち倡優(しょうゆう)拙し」と。蓋し此を謂うなり。〔『言志耋録』第142条〕

【意訳】
堅固な志さえあれば、まるで切れ味鋭い刃物のように、どんな状況をも貫いて打開していく。他人に迎合してご機嫌をうかがう必要などない。昔の人は、「鉄剣利なれば、則ち倡優拙し(鉄のような意志を持っておれば、俳優などに惑わされることはない)」とある。こうしたことを言った言葉であろう。

【一日一斎物語的解釈】
堅固な志を有していれば、周囲に惑わされることはない。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、石崎君から商談の相談を受けているようです。

「この価格で大丈夫だと思うんですけど・・・」

「珍しく弱気だな」

「ここの事務長さんは、タヌキ親爺で有名なんですよ。本心がまったくわからないんです」

「いいねぇ、そういう人と商談するのは楽しいよな」

「全然楽しくないですよ」

「相手の心の内を予測しながら、こっちの出し値を決めていくんだ。主導権を渡してはいけないぞ」

「その心の内が見えないから困っているんですよ!」

「しかし、使うのは院長であって、事務長じゃないだろう。院長の購入意思は確認しているんだよな?」

「もちろんです。是非とも欲しいから、石崎君頼むよ!って言われています」

「それならお前が売りたい金額を最初から提示すればいい」

「でも、駆け引きが・・・」

「この器械は絶対にご施設のお役に立つ。そして、この金額で売れるならお前も満足なわけだろう?」

「はい」

「値引き率で見ても、決して悪くはないよな。もちろん、もっと安く売った施設もあるが、粗利としてはこのくらいは欲しいよな」

「はい」

「『それならこの金額で買って頂けないなら諦めます』と伝えればいい。『院長先生には私から頭を下げに行きます』ってな」

「強気過ぎませんか?」

「俺たち営業マンは卑屈になってはいけない。ご施設にとってお役に立つ商品を提供しているという自負を持つべきだ。それこそが志だよ」

「志ですか?」

「そうだ。しっかりと利益をいただいて、その分しっかりとフォローすればいい。ご施設と当社との関係はずっと続くんだからな」

「そうですね。営業としてのプライドをもって、しっかりと価格提示をしてきます」

「どうだ、ワクワクしてきたか?」

「めっちゃ、ワクワクしてきました。バシッとこっちが腹を決めた姿勢に出たら、事務長はどんな顔をするのかなぁ」

「その点もぜひ結果報告を頼むな。(笑)」


ひとりごと

プロで有る以上、矜持をもつべきです。

普段は謙虚な孔子も、学問を好むことに関しては誰にも負けないと言い切っています。

プロとしての教示をもちながら、謙虚な姿勢を見せれば、人は向うから近づいてくるでしょう。

もちろん、商売もうまくいくはずです!


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