今日のことば

【原文】
(とが)を免るるの道は謙と譲とに在り、福を干(もと)むるの道は恵と施に在り。〔『言志耋録』第152条〕

意訳
あやまちを免れるために重要なことは、「謙」つまりへりくだることと、「譲」つまり他人に譲ることにある。幸福を手に入れるために重要なことは、「恵」つまり人に分け与えることと、「施」つまり施しをすることである

一日一斎物語的解釈
人と交わる上で、災難を逃れるには「謙と譲」を、幸福を感じたいのであれば「恵と施」を意識せよ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、仕事を終えたあと、若手の石崎君と善久君を連れて飲みに出たようです。

神坂「お前ら、ここは食べ放題の店じゃないから、ちょっと遠慮がちに食えよ」

石崎「課長、せこいこと言うのはやめましょうよ!」

「石崎、ここは俺が奢るとは言ったが、俺は所詮、しがないサラリーマンだぞ。懐は常に寂しいんだよ」

「はい、その意識を忘れないようにします。すみません! 牛タン上を5人前お願いします」

「おいおい、いきなり5人前かよ!」

善久「ザキ、すこしは遠慮しなよ」

「善久、お前は優しいな。きっとお前の方が出世するぞ」

「関係ありますか?」

「大ありだよ! いいか、人間関係を上手に処理するコツを教えてやろう」

「教えてください!」

「人とトラブルになるのを避けたかったら、相手を立てることとお先に譲る精神をもつことだ」

「上司を立てて、遠慮しろってことですか?」

「そうかもな? そして、大事なのは人に好かれたいと思ったらどうするかだ」

「それを聞きたいです!」

「簡単なことだよ。相手に恵みと施しを与えればいい」

「なるほど、それで課長は今日私たちにご馳走してくれるんですね?」

「バカ野郎、今更お前らに好かれようとなんて思ってねぇよ」

「じゃあ、なんで奢ってくれるんですか?」

「お前は本当にゲスな奴だな。これは理由なんてないよ。日ごろの感謝だ」

「かっこいいです!」

「そうだろう?」

「ここはおだてた方が良いんですよね? じゃあ、そういうことにしておきます」

「クソガキ、お前だけ割り勘にするぞ! いいか、これから大好きな彼女とデートするときは、ケチケチするなよ。施しが重要だ!」

「私は溢れる愛を送ってるんですけどねぇ」

「お前の溢れる愛なんて、一銭にもならねぇよ。それより、モノだ。モノを渡せ!」

(小声で)どっちがゲスだかわらないよね」

(小声で)たしかに!」


ひとりごと

人間関係を良好に保つための秘訣を一斎先生が教えてくれています。

特に相手を立てること、そして施しを与えることはとても重要なことでしょう。

要するに、人生には押し引きが大事ということでしょうか?

こういう言い方はゲスですね?


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