今日のことば

【原文】
罪無くして愆(とが)を得る者は非常の人なり。身、一時に屈して名は後世に伸ぶ。罪有りて愆を免るる者は奸佞(かんねい)の人なり。志を一時に得て、名は後世に辱められる。古に謂う、「天定まりて人に勝つ」と。是れなり。〔『言志耋録』第157条〕

【意訳】
罪も無いのに罰を受ける者は大人物である。その身はある一時期に屈辱を受けたとしても、その人の名は後世まで伝わるものだ。罪を犯しながら罰を免れる者は心がねじ曲がり人にへつらう類の人物である。一時は自分の求めるものを手に入れたとしても、その名は後世において辱めを受けることになる。昔の人は「天定まりて人に勝つ」と言ったが、まさにこのことを言っているのである

【一日一斎物語的解釈】
自分では正しいと思って行なったことも、時代によっては、期待する評価とは真逆の評価を下されることもある。しかしその行為が道理に適っているならば、いつかは必ず正当な評価を受けるものだ


今日のストーリー

今日の神坂課長は、営業2課の梅田君を励ましているようです。

「梅田、落ち込む気持ちはわかるけど、次にどう活かすかが大事だからな」

「はい・・・」

「今回の商談の敗因をどう自己分析しているんだ?」

「今でもY社の提案より私の提案の方が、絶対にご施設のお役に立つと信じています。でも、事務長は価格重視でY社の提案を受け入れました」

「なるほど。たしかにY社の提案は、保守の部分でちょっとインチキくさいところがあるよな。動産保険だけで修理代金を全額まかなえる訳ではないからな」

「そうなんです。内視鏡については、絶対に保守契約に入っておくべきだと思っています」

「それは俺も100%同意するよ」

「はい!」
「なぁ、梅田。今回は悔しい結果となったが、俺もお前の提案の方がご施設にとってメリットのある提案だと信じる。Y社は目先の売上をとるために、ある意味ご施設に嘘をついていると言ってもいいかも知れない」

「そう思います!」

「ただし、最終的にはお客様が満足すればそれで良いんだ。今回のY社の提案が間違っているかいないかは、1~2年以内にはわかるだろう。なぜなら内視鏡というものは、だいたい1.5年に1回くらい修理が発生する器械だからな」

「はい」

「世の中には詐欺まがいなことをしても、平気で罪を免れている奴らもいる。しかし、いつまでもそんな悪事が通るはずがない。いつかはバレる。そして、その罪を償わなければならない日が来るんだ」

「私は別に詐欺まがいのことはしてませんけど・・・」

「ははは。わかってるよ。お前はその逆で、お客様のことを考えた真っ当な商売をしている。短期的に見ればロスト商談となったが、長い目で見てもらえれば、お前の正しさは証明されるはずだ」

「そうですね。そう信じます!」

「そうと決まったら、気持ちを切り替えて、次の商談に取り組もうじゃないか!」

「はい!!」


ひとりごと

昔の人はよく、「お天道様は見ている」と言っていました。

正しい商売を続けていれば、短期的には顧客を失うことがあっても、他社の対応を知った顧客は必ず戻ってきます。

そして、そうやって戻ってきてくれた顧客は、末永くお付き合いしてくれるものです。

「天定まりて人勝つ」のです!


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