今日のことば

【原文】
人各々長ずる所有りて恰好の職掌有り。苟も其の才に当たらば、則ち棄つ可きの人無し。「牛溲(ぎゅうしゅう)・馬勃(ばぼつ)・敗鼓の皮」、最も妙諭なり。〔『言志耋録』第183条〕

【意訳】
人にはそれぞれに長所があり、得意とする仕事がある。かりに適材を適所に配置できれば、捨てられる人材などはないはずである。韓愈がいう「牛溲・馬勃・敗鼓の皮(良医は牛の小便、馬の糞、破れ太鼓の皮までも利用して、あます所無く薬にする)」とは、見事なたとえ話で腹に落ちる

【一日一斎物語的解釈】
適材を適所に配置できれば、どんな人も輝ける。リーダーのなすべきは、メンバーの長所を見つけて、自ら伸びる環境を与えることだ。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、特販課の大累課長、雑賀さんと内視鏡画像ファイリングシステムの納品をしているようです。

雑賀さんがテキパキとシステムを組み立てています。

「雑賀の奴、伸び伸びとやってるじゃないか」

「水を得た魚とはこのことですかね?」

「あいつもいろいろあったもんな」

「はい。大事故を起こして、会社をクビになるかと思ったことも・・・」

「なんだか、感慨深いな」

「やっぱりメンバーが生き生きと働いている姿を見るのはうれしいものですね」

「うん。それがリーダーとして一番うれしい瞬間じゃないか?」

「たしかにそうですね。いまいるメンバーがベストメンバーですからね!」

「そのとおり。ITの仕事は、あいつにはまさにうってつけの仕事だったな」

「会社にとっても貴重な戦力になってくれました!」

「神坂課長、大累課長、なにをサボってるんですか! ちゃんと手伝ってくださいよ!」

「えっ、俺は今日は監督の立場で呼ばれたと思ったんだけど」

「バカなこと言ってないで! そのサーバーをこのラックに乗せてください」

「おいおい、大累。ああいうのを『親の心、子知らず』って言うんだろうな」

「ですね。なんだよ、これなら若い衆も呼んでおけばよかったなぁ」

「二人とも、今日は土曜日ですよ。若い子たちの大切な時間を奪ってはいけません!!」

「俺にも大切な時間が・・・」

「神坂課長も大累課長も、そんなに夫婦仲が良くないんですよね。だったら良いじゃないですか!」

「やかましいわ! 大累、上司として、もう少し礼儀をしっかりと教えてくれないと困るよ!」

「これでもだいぶマシになった方ですよ」

「これでかよ?」

「ほら、二人とも! テキパキと動いてくれないと今日中に終わりませんよ。終わらなければ、明日も来てもらいますからね!!」

「マジで?! それはご勘弁を!」


ひとりごと

適材を適所に配置すると、見違えるように生き生きと仕事をしてくれるものです。

小生はこれまでに幾度かそうした場面を見てきました。

しかし、これはリーダーとしてメンバーを活かす場合のこと。

自分自身は、今の仕事が天職だと思って、全身全霊で現業に取り組むべきです!!


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