今日のことば

【原文】
言語の道必ずしも多寡を問わず。只だ時中を要す。然る後、人其の言を厭わず。〔『言志耋録』第192条〕

【意訳】
コミュニケーションにおいては、言葉数が多いか少ないかはあまり関係ない。ただタイミングの問題である。ベストタイミングで伝えることができれば、人は素直に言葉を受け容れるものだ

一日一斎物語的解釈
コミュニケーションはタイミングこそが重要である。相手の情況をよく把握して、効果的に伝えることを心がけよ。


今日のストーリー

営業1課の新美課長が、神坂課長に声を掛け、二人は喫茶コーナーに向かったようです。

「なんだよ、急に呼び出して」

「いや、先ほどまで梅田君にお説教をしていたじゃないですか」

「あぁ、あいつまた遅刻しやがったからな」

「神坂さん、どれくらい説教していたかわかりますか?」

「え、15分くらいだろ?」

「45分です!」

「マジ?! そんなにやってたか」

「途中から梅田君は完全に耳を塞いでいましたよ」

「ダメだなぁ。また、やっちまったか!」

「コミュニケーションはタイミングが重要! 手短に用件だけをタイムリーに伝えろ! そう、神坂さんが私に教えてくれましたよね?」

「お恥ずかしい限りです・・・」

「わかりますけどね。私も短く叱ることの難しさは実感していますから」

「鍛錬しかないよなぁ。それにしても、45分もやってたのか?」

「梅田君は、なぜ遅刻してはいけないのかを理解しているんですかね?」

「さすがにそれくらいわかるだろう。時間厳守は社会人の基本だからな」

「でも、遅刻するとどんな災難が待ち受けているかを認識していたら、そう何度も遅刻はしませんよね」

「たしかに」

「人間って、痛い目に遭わないとわからないところがありますからね」

「失敗させてみるか? その後だったら、俺の言葉も沁みるだろう、きっと」

「それもアリでしょうね」

「よし、しばらく朝のミーティングの司会を梅田にやらせよう。あいつが寝坊しても連絡は入れずに、あいつが来るまで皆で待ってみるか。(笑)」

「それは効きそうですね!」


ひとりごと

相手が望まない時にアドバイスをしても、その効果は驚くほど小さいものです。

なんとか理解してもらおうと時間をかければかける程、かえって相手は耳を塞いでしまうでしょう。

いつアドバイスすべきか、これはなかなか難しい問題です!


chikoku_business_man