今日のことば

【原文】
吾が邦(くに)、古代に於いて騎戦有り。後に及んで甲越並びに兵に精し、是(ここ)に於いて軍伍各々成法有り。戦に臨み卸騎(しゃき)歩戦す。但だ、乱軍、敵を追うに騎を用いるのみ。然れども、変に応じて戦闘し、一定無ければ、則ち騎戦も亦講せざる容(べ)からず。〔『言志耋録』第235条〕

【意訳】
我国においても、古代は騎馬戦であった。後に甲斐の武田信玄と越後の上杉謙信はともに兵法に精通し、軍の隊列に成文化された法則が生まれた。そこで、戦に際しては馬を降り、歩兵戦が生まれた。ただ、戦闘が乱れた時だけ騎馬を用いた。しかし、臨機応変に戦い、対応するためには、騎馬戦もしっかりと研究しなければならない。

【一日一斎物語的解釈】
企業や組織においても、新しい思想や技術、道具を取り入れなければ、時代の変化に対応できない。しかし、それを機にこれまでのやり方を闇雲に捨て去るのではなく、新旧折衷の思想をもって、古き良きものを残していくことが重要である。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、オンラインで膵臓学会に参加している様です。

演者1この分野は最近は内科の先生達が素晴らしい仕事をされていますが、外科医としても内科の先生をフォローしつつ、独自の手技を開発していく必要性を感じています。」

司会者1「そうですね。外科の先生もいろいろと工夫されていることを知って、大変勉強になりました」

司会者2「それぞれの得意とする部位があります。内科の先生と外科医がしっかり連携して、どちらがファーストアプローチをするかを見極めべきですね」

司会者1「しかし、こうやって手技開発の著しい進化を見るたびに、古き良きものが失われていくことも危惧されます」
司会者2「おっしゃる通りです。特に疎かにしてはいけないものは、診断の重要さです。正しい診断ができてこそ、適切な治療が可能となるのです」

司会者1「特に若い先生方には、しっかりと診断学を学んで欲しいですね。では、S先生、締めの言葉をお願いします」

司会者2「承知しました。今日は土曜日の朝早くからセッションにご参加頂きありがとうございました。非常に有意義なディスカッションができたと実感しています。ぜひ、明日からの先生方の日々の診療にお役立て頂ければ幸いです。I先生もひとこと、お願いします」

司会者1「最後に議論した診断の重要性についても、ぜひ再認識して頂きたいですね。その上で、古き良きものをベースにして新しいトライを続けてください。本日はありがとうございました。これでセッションを終わります」

神坂「なるほど、勉強になったな。営業の世界も同じだ。新しい営業手法が次々と開発されているけど、今までのやり方が全部古いわけではないだろう。何を残し、何を捨てるかをしっかり考えながら、時代に取り残されない営業スタイルを模索しよう!」


ひとりごと

若い人ほど新しいものに飛びつきたくなるものです。

もちろん、新しいことにチャレンジすることは重要です。

しかし、古き良きものをしっかりと見極める眼も必要です。

古さの中に新しさを見つけ、新しさの中に古さを見つけることを意識したいものです。


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