今日のことば
【原文】
心事は必ず面相と言語とに見(あら)わる。人の邪正を知らんと欲せば、当に先ず瞑目して其の言語を聴き、然る後に目を開きて後に目を開きて其の面相を観、両(ふたつ)ながら相比照し、以て其の心事を察すべし。是の如くなるならば、則ち愛憎の偏無きに庶(ちか)からん。〔『言志耋録』第270条〕
【意訳】
人が心に思うことは必ず表情と言葉に表れる。その人が正しいか邪(よこしま)かを知ろうと思うならば、まず目を瞑って言葉を聴き、その後で目を開いて相手の表情を観察し、言葉と表情の両面を比較して心のうちを察するべきである。このようにすれば、愛憎の念から離れて客観的な判断が可能となるであろう。
【一日一斎物語的解釈】
他人の善悪を判断するときは、言葉と表情をよく観察すればよい。言葉を判断するときは、耳からの情報以外を遮断し、表情を視るときは、目からの情報以外を遮断すると良い。
今日のストーリー
今日の神坂課長は、会社で新聞を読みながら怒っているようです。
「みんなで寄ってたかって爺さんをいじめて楽しいのかねぇ」
「あー、林元首相のことですか?」
大累課長が話し相手のようです。
「うん、だいたいあのあばずれみたいな女性議員の口の利き方はなんだ。あっちの方が問題だぜ。20歳以上も目上の人に向かってため口だからな。非常識なのはどっちだって話だよ!」
「ひとりは国籍不明、もう一人は元脱税議員です。偉そうなことを言えた義理かよって感じですね」
「目を瞑ってあいつらの言葉を聞いてみろ。正義を追及する気持ちなんかさらさらないことに気づけるさ。そして、顔をよくみてみろ。どっちかといえば、悪人面だよ」
「たしかに善をひたむきに追及している人の言葉や顔じゃないですね」
「いまはCOVID-19という地球的危機にあるというのに、野党は何をやってるんだ。今こそ挙国一致で乗り越えるときじゃないのかね」
「そうですよ。乗り越えた後に、また正々堂々と施策をぶつけ合えばいいんですよね」
「大体責任を取って辞職しろ、というけどさ。責任あるポジションについたら、職務を全うすることこそが責任を果すことになるんだよ」
「たしかにそうですよね。辞めるというのは逃げでしかない」
「野党やマスコミは辞任に追い込むことが正義だと勘違いしてやがる。バカばっかりだよ!!」
「神坂さんってそんなに与党寄りでしたっけ?」
「違うよ。あまりにも野党の議員に骨がないから、与党が暴走するんだ。今の与党のやっていることが正しいとは思わないけど、それを真っ当に追及できないぽんこつ議員しか野党に居ないことが情けないんだよ」
「まさに、ザ・万年野党ですね」
「そもそも国籍不明議員の所属する政党は、政権を取るつもりなんて1ミリもないんだろう」
「そんなことはないんじゃないですか?」
「だって、あいつは言ってたじゃないか。『二番じゃダメですか』って」
「あ、たしかに!!」
ひとりごと