今日のことば

【原文】
老人は、速成を好む。戒むべし。苟便(こうべん)を好む、戒むべし。憫恤(びんじゅつ)に過ぐ、戒むべし。此の外、尚お執拗・拘泥・畏縮・過慮の数件有り。都(すべ)て是れ衰頽の念頭なり。須らく能く奮然として気を作(な)し、此の念を破卻(はきゃく)すべし。〔『言志耋録』第307条〕

意訳
年をとると、結果を急ぎすぎてしまうが、これは戒めなければならない。いい加減に都合よく考えることもある。これも戒めなければならない。人を哀れに思いすぎるのも戒めるべきである。これ以外でも、しつこ過ぎたり、こだわり過ぎたり、こわがり過ぎたり、心配し過ぎることも同じである。これらはみな自分が衰え弱ってきた証拠である。すべてにおいて気力を奮い起こして、このようなマイナス思考を捨て去るべきである

一日一斎物語的解釈
高齢になると気力が衰えて、マイナス思考になりがちである。そうならないためにも、常に気力を高めておかねばならない。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、実家に電話をしているようです。

「おー、勇か。お前から電話をしてくるなんて珍しいことじゃないか。地震でも来ないか心配になるな」

「なんだよ、親父。せっかく愛息が電話をしてやっているのに、そのセリフはないだろう」

「だれが、愛息だって?」

「ちっ、まぁ、それだけ減らず口が叩ければ、元気な証拠ってところか」

「そうでもないぞ。さすがに70歳が見えてくると、身体にはいろいろガタが来ているんだけどな。これで、心まで弱ったらいけないと思って、いろいろ努力してるんだ」

「へぇー、どんな努力?」

「町内会のカラオケ大会とか、社交ダンスとか、やれるものはなんでもやってるぞ」

「親父が社交ダンス?! それは見ものだな」

「先生からは、意外と筋が良いって褒められているんだ。元々運動神経は悪い方じゃないからな」

「たしかにな。俺の、頭はバカだけど身体が丈夫で運動神経が発達している点は、親父譲りだもんな」

「頭はバカは余計だ!(笑)」

「元気で良かったよ」

「本当に何の用事もないのか?」

「ないよ。ふと親父とお袋のことが気になってさ」

「かあさんと30分も話してたから、俺には廻ってこないかと思ってたよ。(笑)」

「なんだよ、親父も話したかったのか」

「実はな」

「素直でよろしい!」

「年をとると、意外とマイナス思考になりやすいもんだな。俺はうまれつきノー天気な方だと思ってたのにな」

「そうなのか?」

「意外と極端な考え方をしてしまうことが増えたよ。お前のことが急にすごく心配になったり、かあさんと喧嘩しても、お互いに頑固になり過ぎて、なかなか仲直りできなかったりするんだよ」

「やっぱり気力が衰えてきてるのかな?」

「たぶんな。だから、社交ダンスをしたり、カラオケで歌っているわけさ」

「なるほどな。でも、声は元気だし、頭もしっかりしているようだし、俺は安心したよ」

「そうか、それは良かった。まだまだ、お前に心配されたくはないからな!」

「頼むから、ボケないでくれよ!」

「バカな頭の方がボケない気がするな」

「ほら、自分でもバカを認めたじゃないか。(笑) じゃ、そろそろ切るぞ。元気でな!」

「おう、勇もな!」


ひとりごと

小生はまだ54歳ですが、それでも40代に比べて気力の減退を感じることがあります。

深夜に読書することがほとんどできなくなりました。

このままだと、一斎先生の言うように、どんどんマイナス思考になってしまうかもしれません。

今の内から、いろいろと手を打っておくことにします!!


syakoudance