今日のことば
【原文】
養老の方、夜燭(やしょく)は明らかなるを要し、侍人は多きを要す。児孫側に嬉戯(きぎ)するも亦妨げず。宜しく人の気を以て養と為すべし。必ずしも薬餌を頼まず。〔『言志耋録』第312条〕
【意訳】
年老いた人の養生には、夜はなるべく明るくして、世話をする人は多い方がよい。子どもや孫が騒ぎ戯れることは養生の妨げにはならない。とにかく、たくさんの人の気を感じるような環境にいることが養生になるものだ。必ずしも薬だけが養生になるものでもない。
【一日一斎物語的解釈】
年老いた人を独りにしないことが肝要である。
今日のストーリー
今日の神坂課長は、相原会長の自宅で競馬中継を観戦しているようです。
「いよいよG1シーズンの開幕ですね」
「ワクワクするね。今年も昨年のような強い馬が現れるかな?」
「去年は牡馬・牝馬ともに三冠馬が誕生しましたからね。2年続けてそんな馬が出るとは思えないですけどね」
「それはそうか。さて、今年のダービーはいったいどの馬が勝つのかなぁ」
「楽しみですね」
「ダービーの日を迎えるたびに、あと何頭のダービー馬をこの目で見れるのかなと思ってしまうね」
「それ、競馬ファンのあるあるです。私もそんなことを思いますよ」
「神坂君はあと40頭くらい見れるでしょう。僕はあと10頭見れるかどうか・・・」
「会長、寂しい話はやめましょう。せっかくのG1レースですから」
「そうだね。ついそんなことを考えてしまうのが、老人のあるあるだよ」
「そういう意味でも、会長にはまだまだ会社に出てきてもらいたいんですよ」
「中座さんも辞めちゃったから、ちょっと気持ちが落ち込んでいるのかなぁ」
「会社に来れば、素晴らしい連中がたくさんいます。高齢者は、なるべくたくさんの人の気を感じる環境に居た方が良い、と一斎先生が言っていますよ」
「あー、それはそうだろうね。特に若い人の元気な顔をみると、僕もパワーをもらえるもんね」
「そのとおりです! さー、会長。落ち込んだ気分でギャンブルをやっても絶対に当たりませんよ!」
「うん。僕の軸はもう決まっているからね。川田君のダノンスマッシュで決まりでしょ!」
「いや、馬場が相当荒れていますからね。ここは単騎逃げ確実のモズスーパーフレアが残ると思いますよ!」
さて、レース結果はといいますと、1着ダノンスマッシュ、逃げたモズスーパーフレアは5着に沈みました。
「神坂君、バッチリ3連単でいただいたよ!」
「直線半ばまでは3着は堅いと思ったのになぁ。5着かぁ・・・」
「万馬券とはいかなかったけど、まあまあの配当かな」
「当たれば良いじゃないですか。私は今年もオケラ街道まっしぐら確実です」
「さあ、元気を出そう。最終レースがまだ残っているよ」
「あーあ、まさか会長を励ましに来て、私が励まされることになるとは・・・」
ひとりごと
コロナの影響は、高齢者の気持ちにも大きな影響を与えているでしょうね。
小生の家庭もそうでしたが、昨年末は帰省を諦めた方が多かったことでしょう。
それは孫の顔を待ちわびる祖父母にとっては、とても悲しいことです。
にぎやかなお盆や年末年始こそ、最大の養老になるはずです。
今年こそは、祖父母が喜ぶ一年にしましょう!
寂しがり屋なので、老後一人にされない様に、我が子に、友人にいまからもっと愛される様に。
徳積みしますを