今日のことば


【原文】
養生、私に出ずれば、則ち養飜(ひるがえ)って害を招き、公に出ずれば、則ち着実に養を成す。公私の差は毫髪(ごうはつ)に在り。〔『言志耋録』第317条〕

意訳
養生というものは、私欲から生じたものであれば、かえって害を被ることになり、公欲から生じたものであれば、間違いなく養生となる。この公私の差というものは、髪の毛一本程のわずかな差にすぎないもであるから、よく注意しなければならない

一日一斎物語的解釈
つねに自分のためでなく、世の中のためを考えることが、自らの養生にもなる


今日のストーリー

今日の神坂課長は、相原会長の部屋に居るようです。

「しかし、ギャンブルって面白いですよね。たとえば、1万円のものが欲しいから、なんとか1万円増やしたいなんて思って馬券を買っていると、気づいたら1万円使っていた、なんてことがよくあります」

「ギャンブルをしなければ、はじめから買えたのにね!」

「そういう欲に塗れた考え方だと、やっぱりダメですね」

「うん。まさにそう思った。実はこの前、株を少し整理したら、思ったよりも収益が出てしまってね」

「おぉ、どのくらいですか?」

「5百万円」

「すごいですね! それだけ資金があったら、当分ギャンブル三昧ですね」

「そうならないようにと思って、全部寄付しちゃった」

「え、5百万円すべてですか?!」

「うん」

「えー、もったいないなぁ」

「僕も若い頃ならそう思っただろうけど、この年になるとね、そこまで欲も出なくなるものだよ。どこにしようかと考えて、結局ユニセフにしたんだ」

「カッコ良すぎじゃないですか!」

「寄付するまでは、ちょっとドキドキしたんだけど、いざ処理を終えたらすごく気分が良いんだよ。世の中の為にお金を使うということは、もしかしたらわが身の養生になるのかもね」

「たしかに、それだけのお金を公欲のために使ったら、気分は良いかも知れませんね。とても、私にはできないことですけど」

「公欲?」

「佐藤部長が以前に言っていました。私欲にまさる公欲を持てば、私欲を抑えることができるって。凡人は無欲になんてなれないから、私欲を公欲で抑え込むのが良いと」

「さすがは佐藤君だね。まさにそういうことだよ。それこそあの5百万円をそのまま口座に入れていたら、いつの間にか全部ギャンブルに使ってしまうかも知れなかったからね」

「ギャンブルはやっぱり私欲ですかね?」

「典型的で最悪の私欲だね」

「そこまで言います? 会長は、私のことをよく『ギャンブルの師匠』というじゃないですか。ということは、最悪の私欲の師匠ってことですよ!」

「あ、それはそうだね。でも、事実じゃない?」


「会長!!」


ひとりごと

なんども言いますが、小生のような凡人は無欲にはなれません。

そうであれば、私欲に勝る公欲を持つことで、私欲を抑え込むしかないと思います。

受け取ることより与えることを意識していけば、私欲を抑える鍛錬となるのではないでしょうか??

テイクアンドギブではなく、ギブアンドテイクを意識すべきですね。


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