今日のことば

【原文】
凡そ事を作すには、須らく天に事うるの心有るを要すべし。人に示すの念有るを要せず。〔『言志録』第3条〕

【意訳】
何事を行うにおいても、すべて天の意に従う心を持つべきである。人に功を誇ることを目的とするような心がけではいけない。

【一日一斎物語的解釈】
人に誇ることを目的に仕事をしてはいけない。あくまでも宇宙の摂理に適った仕事を意識すべきである。


今日のストーリー

営業2課の石崎君と善久君が雑談コーナーにいるようです。

「ザキ、雑賀さんからzoomのやり方を教えてもらった?」

「うん」

「さすがは雑賀さんだな。ITのことは良く知っているよね」

「うん。ただねぇ・・・」

「なに?」

「めっちゃ自慢気に説明してくるんだよ。俺ってすごいだろうオーラが強すぎて、疲れちゃうんだよね」

「ははは。それも雑賀さんらしいね」

「ガンちゃんが先に雑賀さんに教わったって聞いたから、ガンちゃんから聞けばよかったよ」

「でも、教えてもらう立場だから我慢しないとな」

「ハンパない自慢だぜ。途中から意識が朦朧としてきたよ」

「大袈裟だなぁ」

「きっとゼンちゃんだって、頭がクラクラしたはずだよ。あ、ちょうどいいところにガンちゃんが来た」

「あー、二人ともここにいたのか」

「ガンちゃん、雑賀さんの自慢タラタラによく耐えたね」

「え? あー、zoomの話?」

「そう」

「たしかに、けっこう自慢話は聞かされたな」

「人に自慢することを目的に仕事をするのはどうかと思うよなぁ」

「いやいや、雑賀さんだって、別に自慢するためにITを学んでいるわけじゃないでしょう。会社のために、勉強しているんだと思うけどなぁ」

「そうかなぁ」

「そうだよ。雑賀さん自身がITに興味があって、ちょうどウチの会社にはITに詳しい人がいないから、自然の流れで雑賀さんがIT担当になったんだと思うよ」

「そうか。まぁ、俺たちは雑賀さんを反面教師にさせてもらって、後輩に何か聞かれた時には自慢しないように意識しような」

「もともと、ガンちゃんも僕もそんなつもりはないけどな。一番気をつけなきゃいけないのはザキでしょ!」

「ゼンちゃん、それはないよ!!」

「僕もそう思う」

「ガンちゃんまで!!」


ひとりごと

自慢話を聞かされることほど苦痛なものはありませんね。

しかし、世の中には、人に自慢をしたくて仕方がない人がいるものです。

実はそういう人こそ、自分自身に自信がない人なのです。

広い心で聴いてあげるか、敢えてストレートに指摘するか、対応のむずかしいところです。


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