今日のことば

【原文】
憤の一字は、是れ進学の機関なり。舜何人ぞや、予(われ)何人ぞやとは、方(まさ)に是れ憤なり。〔『言志録』第5条〕

意訳
「憤」という一字は、人が学問を進めていくうえで最も重要な道具といえる。あの孔子の高弟の顔回が「あの立派な舜といでも自分と同じ人間ではないか」と言ったのは、まさしくこの「憤」そのものであろう。

【一日一斎物語的解釈】
自分には無理だと、自分で自分に限界を作るな。悔しさをバネに、少しでも高みを目指せ。


今日のストーリー

神坂課長の息子の楽君がテニスの試合に負けて落ち込んでいるようです。

「楽、県大会に出場できただけでも凄いことだ。今回はそれ良いじゃないか」

「でも、父さん。せめて1試合くらい勝ちたかったよ。正直、勝てる相手だったと思うし・・・」

楽君は目に涙を溜めています。

「誰だって勝ちたいの同じだ。でも、試合をしたらどちらかが勝って、どちらかが負ける。それは仕方のないことだろ?」

「それはそうだけど、相手も県大会初出場だったし、チャンスだったんだよ」

「いいか、楽。この前亡くなった柔道の金メダリストの古賀稔彦さんがテレビでこんなことを言っていた。人は弱さを知って強くなるってな」

「どういうこと?」

「負けることで自分の足りない部分がわかる。だから次の試合までにそこを徹底的に磨いていく。そうすれば負ける前より強くなるだろう」

「あぁ、そういうことか」

「今のお前のどこを強化したら、今日の相手に勝てそうだと思う?」

「バックハンドだと思う。今日は途中からバックを狙われていた気がする」

「そうやって意識すると、フォアも鈍るからな」

「うん、途中からフォアの精度も落ちてきて、どうしてよいかわからなくなった」

「よし、決まりだ! 今日から徹底的にバック・ハンドを磨けばいい!」

「うん。父さん、今から付き合ってくれる?」

「ははは。今から行くか?」

「だって、早く克服したいもん」

「そうだな。じゃあ、裏の公園に行こう」

「うん。次の目標は県大会で勝つことじゃない。県大会でベスト8に入ることにする!」

「いいね。そういう強い気持ちがあれば、きっとその夢は実現するぞ!!」


ひとりごと

悔しさをバネにする。

小生が若いころの原動力はまさにこの「悔しさ」でした。

ところが、最近の若い人は、あまり悔しさを感じないようです。

そんな子たちには、どう接して行けば良いのか?

昭和のマネージャーの悩みどころですね!


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