今日のことば

原文】
人は少壮の時に方(あた)りて、惜陰を知らず。知ると雖も太(はなは)だ惜しむに至らず。四十を過ぎて以後、始めて惜陰を知る。既に知るの時、精力漸く耗す。故に人の学を為すには、須らく時に及びて立志勉励するを要すべし。しからざれば則ち百悔すとも亦竟(つい)に益無し。〔『言志録』第123条〕

【意訳】
人は若く精力盛んなときには、時を惜しむことを知らない。知っているとしても、それほど大いに惜しむことはない。四十を過ぎてようやく時の大切さを知る。その時はすでに精力は衰えている。それゆえ人が学ぶには、若いときに志を立て、勉学に励むべきである。そうでなければ、後にどれだけ悔いてもはじまらない。

【一日一斎物語的解釈】
若い時は時間の大切さに気づかないものだ。そして、四十歳を過ぎる頃になるとようやく時間の大切さに気づくが、その頃にはすでに精力は衰え始めている。だからこそ、四十を迎えるまでの二十代、三十代のうちに志を立て、自らの仕事に励むべきなのだ。四十歳になって、本当に世の中の役に立つ仕事をするためには、若い時に何をしてきたかが重要なのである。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、営業2課の石崎君と同行中のようです。

「石崎、ちゃんと読書は継続できているのか?」

「それが、どうしても深夜0時を過ぎると眠くなってしまって、あまり進んでいないんですよね」

「20代の今を大事にしろよ。あっという間に30歳はやってくるぞ!」

「でも、睡眠時間も大切だと聞きますよ。一日7時間以上寝ている人とそうでない人では、平均寿命に大きな差が出るらしいです」

「無駄に長生きしても、身体が動かなければ、結局やりたいことはできないんだ。20代の2時間と80代の2時間では、出せる成果も違うはずだろ?」

「それはそうですけど」

「俺は20代のときにもっと勉強しておくべきだったとすごく後悔しているんだ。40代になると老眼にもなるし、体力も衰えてきて、深夜の読書はもっとしんどいものになってくるからな」

「でも眠気にはなかなか勝てなくて・・・」

「以前、俺に薦めていたサプリはどうしたんだよ?」

「あー、あれはあまり効き目がない割りに高いので止めました」

「ほら、みろ。だから言っただろう。そういえば梅田はあんな風貌だけど、将来のことをかなり真剣に考えているぞ。気をつけないとあっという間に追い抜かれちゃうんじゃないのか?」

「え、梅ちゃんがですか?」

「あいつは大きな仕事をしたいんだそうだ。だから、20代・30代の時間を大切にしろとアドバイスしてやった。もちろん、読書もな」

「そうか、それで最近、よく本を読むようになったのか。まだまだ、梅ちゃんに簡単に追い越されるわけにはいきません!」

「お前には他にも優秀な同期もいるじゃないか。願海なんか、睡眠時間を削って本を読んでいるらしいぞ」

「そうなんです。でも、ガンちゃんは別格な気がして、ライバルだと思えないんですよねぇ」

「最初からあきらめてどうする! あいつだって人の子だ、カメがうさぎに勝つことだってある。しかし、カメがうさぎに勝てたのは、最後まであきらめなかったからだ」

「ありがとうございます! 最近、ちょっと気が弛んでいました。今日からしっかり読書します!!」

「うん、今という時間は二度と戻らない。20代・30代を大切に過ごせよ」

「はい。あの眠くならないサプリをもう一度取り寄せて飲むことにします!!」

「いや、そういうことじゃないと思うんだけどな・・・」


ひとりごと

若い時に気づかぬうちに失ってしまっている大切なもののひとつが「時間」です。

20代のときの体力と気力を40代以降も維持することは至難の業です。

しかし、これは50代の小生にも言えることかも知れません。

60代・70代ともなれば、今以上に気力・体力とも減退するでしょう。

だからこそ、今やるべきことは今やるしかないのです!!


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