今日のことば

原文】
雲烟は已むを得ざるに聚り、風雨は已むを得ざるに洩れ、雷霆(らいてい)は已むを得ざるに震う。斯に以て至誠の作用を観る可し。〔『言志録』第124条〕

【意訳】
雲や煙はやむを得ずして集まり、風雨もやむを得ずして吹き荒れ、雷もまたやむを得ずして鳴り響く。これを見てやむに已まれぬ人の誠の心の発露をしることができよう。

【一日一斎物語的解釈】
自然界における現象はすべてやむを得ずして起るものである。同じように人間も已むにやまれぬ想いをもって仕事に力を尽くすべきである。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、落ち込んでいる石崎君を慰めています。

「すみませんでした。出入り禁止になってしまいました」

「お前、なぜ逆切れしたんだ」

「先生があまりにも理不尽だったんです。絶対に使用中に穴をあけたはずなのに、最初から穴があいていたと言い張るので」

「可能性がゼロとは言えないんじゃないか?」

「いえ、納品時にしっかり点検したので間違いないです。それに、あの時近くにいた若い看護師さんが申し訳なさそうにこっちを見ていたんです」

「その娘がやったと思ったのか?」

「はい、直観的にですけど。きっと間違いないと思います」

「結構、高圧的な態度だったんだな?」

「はい、『お前は俺を疑っているのか?とか『お前じゃ話にならないから、上司を呼べ』とか」

「あそこの院長はクレーマーだって噂もあるよな」

「そうなんです。同じような話を同業の方から何度か聞いたことがあるんです。だから、きっと今回もそうなんだろうと思いました」

「事務長をやっている奥さまが出てきたら決まりらしいぞ。向こうから交換品を指定してくるらしい」

「あ、奥さん出てきましたよ。それで、カタログを見せられて、『これと交換しろ』と言われました。それで、我慢ができなくなって、つい大声を出してしまいました」

「それで出入り禁止か?」

「すみません」

「さっき、院長から電話があったぞ」

「え、そうなんですか?」

「担当者を変えろと言ってきた」

「2課の皆さんにご迷惑をかけてしまいますね、すみません」

「いや、誰にも迷惑はかからないさ」

「え?」

「担当を変えろと言われたから、『石崎を担当者から外します。後任はいません』と伝えた」

「どういうことですか?」

「『お取引をやめさせて頂きます』と言ってやったよ」

神坂課長が舌を出して笑っています。

「大丈夫なんですか?」

「そこまでやられて卑屈でいる必要はない。客だからって何を言っても良いと思ったら大間違いだ! そこでキレなきゃ男が廃るぜ!」

「課長・・・」

「已むに已まれぬ想いで、そういう態度をとったというのは、俺にはよくわかる。俺だったらもっと前にキレていたかも知れない」

「メーカーのO社さんには事情を話しておきます」

「さっき俺から支店長に電話して話をしたよ。あの施設にはO社も手を焼いていたようで、これを機にO社も縁を切るそうだ」

「そうだったんですか」

「課長、ありがとうございます! 必ず今期中にO社の商談を決めてみせます!!」

「期待してるよ、少年!!」


ひとりごと

時々、客なら何を言っても良いと思っているお客様に出会うことがあります。

そういう時には毅然とした態度をとるべきです。

小生も過去に2度ほど、こちらからお取引を止めさせてもらったお客様がありました。

営業マンはお客様と対等であるべきです。

お客様と営業万が互いに感謝の念と敬意をもって接する関係を築きたいものです。

そのためにも、営業マンはお客様の課題解決に全力を注ぐ必要があるのです。


shizensaigai_kaminari