今日のことば

原文】
已む可からざるの勢いに動けば、則ち動いて括られず。枉(ま)ぐ可からざるの途(みち)を履めば、則ち履んで危うからず。〔『言志録』第125条〕

【意訳】
已むに已まれぬ思いで動けば、邪魔されることはない。曲げることのできない義を貫けば、実践しても危機に陥ることはない。

【一日一斎物語的解釈】
もうこれ以外に方法はないと信じて突き進めば、人を動かせないことはない。自分が正しいと信じることを貫けば、どんなに厳しい場面でも乗り越えることができる。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、ネットニュースを見ているようです。

「しかし、大谷翔平という選手は規格外だな」

「今までのプロ野球の常識を完全に覆しましたからね」

野球の話題に強い本田さんが話し相手のようです。

「日本ハムで二刀流でいくと宣言したとき、ほとんどの解説者が無理だと言ってたよな」

「メジャーに行くときも、多くの解説者は向こうでは無理だと言いましたよ」

「しかし、実際にはこの活躍だろう。二刀流の選手がこのまま行けばホームランキングだぜ」

「おそらく投手としても10勝は確実でしょう。チームナンバー1の防御率を誇る投手がリーグのホームラン王ですよ。訳がわからない状態です」

「昨日なんて、一番ピッチャー大谷だからな。ピッチャーが一番を打つってどういうことだよ。(笑)」

「漫画の世界でも想像できないレベルです」

「周囲が何と言おうと、彼は二刀流でやれるという自信があったんだろうな」

「一昨年、怪我をした時に、これで投手か野手のどちらかに専念するんだろうなと思っていました」

「ところがどっこい、見事な二刀流の復活劇だもんな。自分は二刀流でチームに貢献するという信念で怪我を乗り越えたって感じか」

「誰より大変なことなのに、楽しそうにやってますからね」

「信じた道を貫く覚悟があれば、茨の道も乗り越えることができるんだな」

「我々も信念をもって仕事をしなければいけませんね」

「そのとおりだよ。周囲が何と言おうと、真っ当な商売を心がけよう!」

「はい。先義後利ですね!」

「うん。一時の利益に惑わされることなく、お客様の課題解決のために最適な提案をするという信念をブラさずに行こう」

「そうは言っていても、もうすぐ9月です。期末が近づくと、つい利に奔りたくなる自分がいます」

「そういうときこそ、大谷翔平を思い出して、義を貫く信念を呼び起こそうじゃないか!」


ひとりごと

連日の大谷翔平選手の活躍はお見事です。

彼が高校時代に書いたというマンダラシートは有名ですが、彼の中では二刀流で成功することこそが、追い求めた野球なのでしょう。

信じて進む人間の意志は強固です。

信念があれば、逆流にさえ打ち克つことができるのでしょう。

Otani san

















エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】