今日のことば

原文】
気節の士、貞烈の婦、其の心激する所有り。敢て死を畏れざるは、死を分とする者の次なり。血気の勇の死を軽んじ、狂惑の夫の死を甘んずるは、則ち死を畏るる者より下(さが)れり。又釈老の徒の如きは、死に処するに頗る自得有り。然れども其の学畢竟亦死を畏るるよりして来る。独り極大の老人、生気全く尽き、溘然(こうぜん)として病無くして以て終る者は、則ち死に安んずる者と異なる無きのみ。〔『言志録』第136条〕

【意訳
気概と節操のある人や、貞操と正義のある婦人は、その心に激しさを抱いている。死を畏れないのは、死を天命として受け容れる賢者に次ぐものである。血気の勇により死を軽視し、狂い惑う夫の死を止む無しとするのは、死を畏れる常人よりも劣っている。また、仏教徒や道家の人々の如きは、死に対して泰然自若としている。しかしその教えは、死を畏れる所から生まれている。ただ極めて長寿の老人が、精魂尽き果てて、突然無病で死亡するのは、死に何の不安を抱かない聖人と異なる所がない。

【ビジネス的解釈】
正義感と倫理観をもって仕事に臨み、失敗を恐れない人は結果をありのままに受け容れる人に次いで賢明である。無謀な策に打って出て失敗する人や失意の底にある人をやむを得ないと見るような人は、失敗を恐れる人にも及ばない。理想的なビジネスマンとは、あたかも長老が天命を全うして穏やかに死んでいくように、自分の使命を果たし尽くす人である。


今日のストーリー

今日の神坂課長は、営業2課の善久君と同行中のようです。

「昨日の帰りに本屋さんに寄ったとき、レジの前に傘を置き忘れてしまったんです」

「朝はどしゃ降りだったのに、夕方にはすっかり晴れてたからな」

「はい。正直、傘を置き忘れたことすら気づいていなかったんです。そうしたら今朝、その本屋の店員さんが会社に傘を持ってきてくれたんです」

「なんで、傘を忘れただけなのに会社の住所がわかったんだ?」

「以前にその店で課長に頼まれた本を買って、領収書をもらったんです。そのときに渡した名刺があったからわかったと言っていました」

「お前の顔を覚えていたと言うことか?」

「はい。驚きました」

「それは凄いな。なぁ、善久。そんな神対応をされて、何を感じた?」

「今まではamazonで本を買うことが多かったのですが、これからはなるべくその本屋さんで買おうと思いました」

「そうだよな。善久、その出来事はずっと忘れるなよ」

「はい」

「お客様に『そこまでやってくれるのか!』と思わせたら勝ちだ。そう簡単に競合に持っていかれなくなる」

「あぁ、なるほど」

「お客様の期待を下回っているようでは問題外。しかし、お客様の期待通りの仕事しかできない営業マンは、ギリギリ合格点というレベルだ」

「期待通りではダメなんですか?」

「うん。期待を超えなければダメだ。その本屋の店員さんは、お前の期待を完全に超えていただろ?」

「たしかに!」

「だから、お前は今後はその本屋さんで本を買おうと誓ったわけだ」

「誓ったわけではないですけど・・・」

「細かいことを言うな! とにかくそうして、お客様の為に自分のできることをやり尽くすという意識をもつことが重要なんだ」

「お客様の期待を超え続ける営業マンこそが、売れ続ける営業人なんですね?」

「その通りだよ、善久!」

「お客様に、『君はそこまでやってくれるのか!』なんて言われてみたいなぁ」

「『言われてみたい』じゃダメだ。『言われるようになります!』だろ

「はい、言われるようになります!!」


ひとりごと

仕事人として、自分の使命を認識し、その使命を果たすことができれば、幸せな仕事人生を送れたと言えるでしょう。

ビジネスである限り必ずお客様がいます。

常にお客様の期待値を想定し、その期待を超える対応ができれば、お客様から信頼され愛される幸せな仕事人となれるはずです。


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